This I Dig Of You / ハンク・モブレー【昼、コーヒー、音楽】

コーヒーと音楽

昼下がり、コーヒーを飲みながら1曲いかがでしょうか?

※このコーナーではシチュエーションに合った1曲を紹介させていただきます。

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This I Dig Of You / ハンク・モブレー

1960年レコーディング、同年リリース、『Soul Station』に収録
ハンク・モブレー(ts)
ウィントン・ケリー(p)
ポール・チェンバース(b)
アート・ブレイキー(ds)


ハンク・モブレーは、1950年代から1960年代にかけてのハード・バップを代表するテナーサックス奏者の一人です。キャリアの大半をブルーノートのハウス・ミュージシャンとしてリーダー作、サイドマンとして数多くの作品を残しています。ブルーノート時代の中でも、アルバム『Soul Station』(1960年)は、キャリアを象徴する作品ではないでしょうか。今回の楽曲『This I Dig of You』もこのアルバムに収録されています。

この曲は、ウィントン・ケリー、ポール・チェンバース、アート・ブレイキーという豪華なトリオがバックを務め、ハンク・モブレーのサックスが前面に出る構成になっています。モブレーの滑らかで心地良いサックス・ラインが、楽曲全体に柔らかい雰囲気を漂わせています。テクニカルなプレイに頼らず、メロディの美しさを追求しているハンク・モブレーらしい演奏を楽しめます。ウィントン・ケリーのピアノ・ソロも楽曲に豊かな表情を加えています。

ハンク・モブレーは過小評価されていたミュージシャンなんです。レスター・ヤングほどリリカルでもなければ、ジョン・コルトレーンやソニー・ロリンズほど鋭くもない音色と評され、ジャズ評論家であるレナード・フェザーに「テナー・サックスのミドル級チャンピオン」と揶揄されていたりしました。イノベーティブなことをするミュージシャンがいる中で、モブレーはオアシスなんです。聴きやすくて大好きです。ジョージ・コールマンやジョー・ヘンダーソンに影響を与えた人物でもあります。

(P.N. ズワイガニ)

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