どうも、ズワイガニです。
音楽用語で「オブリガート」という言葉を聞いたことはありますか?
今回は、演奏をより深く楽しむために知っておきたい「オブリガート」について分かりやすく解説します!
オブリガートとは?
オブリガートは、イタリア語で「obbligato」と表記します。
日本語だと、たまに「オブリガード」と間違えて書かれていることがあるそうです。
「オブリガード(obrigado)」は、ポルトガル語で男性が使う「ありがとう」という意味なので、どこかで聞いたことがあって混同しやすいのかもしれません。(ちなみに女性が使う「ありがとう」は「オブリガーダ」と言います。)
話を戻して、音楽用語のオブリガートとは、主旋律(メイン・メロディ)を引き立たせるための「助奏」や「対旋律」のことです。
バンドマンの間では「オブリ」と略されたり、メインを引き立たせるという意味合いで「オカズ」や「合いの手」と呼ばれることもあります。
語源は「必須」なのに今は「自由」・・・?
実はこのオブリガート、語源をたどると面白い事実があるんです。
元々のイタリア語の「obbligato」には、「義務づけられた」「必須の」という意味があります。クラシック音楽の歴史の中では、本来「絶対に省略してはいけない伴奏パート」を指す言葉でした。
それが時代を経て、ジャズやポピュラー音楽においては、逆に「自由に入れられる装飾的なフレーズ」という意味合いで使われるようになったんです。
なんだか真逆の意味になっていて面白いですよね!
ジャズにおけるオブリガートの役割
ジャズにおいては、メロディに動きがない音のスペース(隙間)を埋めるように演奏されることが多いです。
ヴォーカルや管楽器がメインのメロディを奏でている裏で、ピアノやギター、別の管楽器が独立したメロディを奏でることで、主旋律をより魅力的に引き立たせるカウンター・メロディのような役割を果たします。
基本的には、「ソロ演奏や歌の合間に「合いの手」のようなメロディを入れる」と覚えると分かりやすいかもしれません。
伴奏者がバッキング(伴奏)をしつつ、メインの演奏者の呼吸や流れを読んで、絶妙なタイミングで音を補足していく・・・まさに職人技です!

同じように、ドラムスがメロディに動きがない音のスペースを埋めるリズム・パターンのことを、「フィル・イン」や「フィル」と呼ぶんじゃぞ。
伝説の名コンビに学ぶ極上のオブリガート
ジャズの歴史の中でオブリガートの名手といえば、テナー・サックス奏者のレスター・ヤングが有名です。
特に、伝説的なジャズ・ヴォーカリストのビリー・ホリデイと共演した録音では、彼女の歌の合間にレスター・ヤングが寄り添うように入れるオブリガートが「最高に美しい!」と絶賛されています。二人の息の合ったインタープレイ(相互作用)は必聴ですよ!
おすすめアルバム『A Musical Romance(ア・ミュージカル・ロマンス)』
このアルバムは、ビリー・ホリデイとレスター・ヤングが共演した1930〜40年代の歴史的な名演をまとめたコンピレーション・アルバム(2002年リリース)です。
ビリーの切なくも美しい歌声のスペースに、レスター・ヤングのテナー・サックスがまるで恋人同士の会話のように優しく入り込んでくるんです。
特に『A Sailboat In The Moonlight』や『Mean To Me』などでの2人の絡みは絶品!オブリガートの魔法を体感するなら、まずはこの1枚から聴いてみるのが間違いないですよ。
おわりに
ソロ・パートの際にオブリガートを効果的に入れることで、演奏者同士のインタープレイのあるスリリングな即興演奏へと発展していきます。
今まで「ソロ・プレイヤーの演奏ばかり聴いていた」という方は、ぜひ伴奏をしているリズム・セクションや、裏で鳴っている管楽器に耳を傾けてみてください。
きっと、今まで気づかなかったカッコいいオブリガートを発見できると思います!


