朝、コーヒーを飲みながら1曲いかがでしょうか?
※このコーナーではシチュエーションに合った1曲を紹介させていただきます。
Köln, January 24, 1975 Part I(ケルン、1975年1月24日 パートI) / キース・ジャレット
1975年コンサート、同年リリース、『The Köln Concert (Live)』に収録
キース・ジャレット(p)
キース・ジャレットの『The Köln Concert(ザ・ケルン・コンサート)』は、1975年にドイツのケルン・オペラハウスで録音されたソロ・ピアノの即興演奏で、ジャズ史上最も有名なピアノ・ソロ作品の一つです。
キース・ジャレットは、マイルス・デイヴィスがエレクトリック・バンドを率いていた時に、チック・コリアと共にツイン・キーボードとして注目されたピアニストです。その頃に出会ったECMというレコード会社と契約して、以降ECMからたくさんの作品を発表しています。
1972年にプログラムのないピアノのみの完全即興のソロ・コンサートを行なったんです。このコンサートをきっかけに、この試みをECMが積極的にレコーディングしていくことになります。『The Köln Concert』もその中の一つなんです。
演奏は、ケルンのオペラハウスで夜遅く行われましたが、キース・ジャレットは疲労や健康問題を抱え、さらにホールにはリクエストしたピアノとは違う状態の悪いピアノしか用意されていないなど、状況は最悪だったんです。しかし、彼は即興の技術と表現力でそのピアノを見事に活かして、心に響く演奏を生み出しました。結果、このアルバムは、ピアノ・ソロで一番売れたアルバムと言われているんです。
『Part I』は、序盤は優しく包み込むような穏やかなアルペジオから始まり、徐々にルバート感覚になり、様々な音楽スタイルやリズムが取り入れられていきます。26分間の演奏は、おおよそ4つのパートがあり、その構成力は即興演奏とは思えないほどです。
(P.N. ズワイガニ)
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