夜、コーヒーを飲みながら1曲いかがでしょうか?
※このコーナーではシチュエーションに合った1曲を紹介させていただきます。
Room 608(ルーム608) / ホレス・シルヴァー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ
1954年レコーディング、1956年リリース、『Horace Silver and the Jazz Messengers』に収録
ホレス・シルヴァー(p)
ケニー・ドーハム(tp)
ハンク・モブレー(ts)
ダグ・ワトキンス(b)
アート・ブレイキー(ds)
『Room 608』は、ホレス・シルヴァーの初期の重要な作品の一つで、1956年にリリースされたアルバム『Horace Silver and the Jazz Messengers』に収録されています。このアルバムは、ビ・バップからハード・バップへの転換期にそのスタイルを確立した作品だと言われています。
ホレス・シルヴァーがジャズ・メッセンジャーズにいた頃の作品ですね。名義がホレス・シルヴァーになっている通り、元々ジャズ・メッセンジャーズはホレス・シルヴァーが作ったんです。それをアート・ブレイキーが受け継いだんですね。アート・ブレイキーはその後、生涯ジャズ・メッセンジャーズを率いることになるんですけど、受け継いだことはすごく良い選択だったんですね。
それにしても、良いメンバーが揃っていますね。フロントがケニー・ドーハムとハンク・モブレー。エネルギッシュな演奏で気持ちが良い。
『Room 608』は、リズム・チェンジの曲なんです。リズム・チェンジとは、ジョージ・ガーシュウィン作曲の『I Got Rhythm』のコード進行をベースにした曲のことをいいます。
「なんでそれをリズム・チェンジって言いますのん?」って思うかもしれませんね。『I Got Rhythm』のコード進行をベースに作曲することを、「I Got Rhythm Chord Changes」や「I Got Rhythm Changes」と呼ばれていたんですけど、だんだん省略されて最終的に「Rhythm Changes(リズム・チェンジ)」という呼び方が一般的になったからなんです。ちなみに既存の曲をベースに作曲することを「コントラファクト」といいます。ジャズの世界ではよく使われる手法なんですよ。
余談なんですが、この曲のタイトルっておそらく宿泊したホテルの部屋番号とかなんでしょうね。それだけー。
(P.N. ズワイガニ)
コメント