昼下がり、コーヒーを飲みながら1曲いかがでしょうか?
※このコーナーではシチュエーションに合った1曲を紹介させていただきます。
A Foggy Day(霧の日) / チャールズ・ミンガス
1956年レコーディング、同年リリース、『Pithecanthropus Erectus』に収録
チャールズ・ミンガス(b)
ジャッキー・マクリーン(as)
J・R・モンテローズ(ts)
マル・ウォルドロン(p)
ウィリー・ジョーンズ(ds)
今回は、チャールズ・ミンガスの『A Foggy Day』です。
『A Foggy Day』は、ジョージ・ガーシュウィン作曲の1937年のポピュラー・ソングで、ジャズ・スタンダードです。元々は、当時のロンドンでよく見られた汚染による霧にちなんで、『A Foggy Day (In London Town)』というタイトルでした。エラ・フィッツジェラルド、レッド・ガーランド、オスカー・ピーターソン、フランク・シナトラ、サラ・ヴォーンなど、数多くのミュージシャンに演奏されている作品です。
今回紹介するチャールズ・ミンガスのヴァージョンはアレンジがユニークなんです。この曲は、アルバム『Pithecanthropus Erectus(直立猿人)』に収録されているんですけど、この曲含め全4曲で構成される組曲のような形になっているんですね。
その内容とは、人類の進化を音楽で描写するというものです。原始人が直立する姿から始まり、進化する人間が直面する葛藤や社会の不条理を表現しています。その中で『A Foggy Day』は、車社会を描いているんですけど、クラクションの音などを直接的に表現していて、ユニークな演出をしています。
このアルバムは、ミンガスのキャリアにおけるターニング・ポイントになったんです。バンドのサウンドとアルバムのコンセプトを明確に打ち出し、作曲家としてもバンド・リーダーとしてもその名を世に示した作品だったんですね。
(P.N. ズワイガニ)
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