夜、コーヒーを飲みながら1曲いかがでしょうか?
※このコーナーではシチュエーションに合った1曲を紹介させていただきます。
Harvest Time(ハーヴェスト・タイム) / ファラオ・サンダース
1976年レコーディング、1977年リリース、『PHAROAH』に収録
ファラオ・サンダース(ts)
ベドリア・サンダース(harmonium)
ティシージ・ムニョス(g)
スティーブ・ニール(b)
ローレンス・キリアン(per)
今回は、『ハーヴェスト・タイム』です。「収穫の時期」って意味ですかね。
さて、この曲ですが、20分ぐらいあります。曲調も神秘的と言いますか、メディテーションのような長尺トラックになっています。曲全体を通して、穏やかでスピリチュアルな雰囲気を重視していて、バックには、穏やかなギターとキーボードのサウンドが広がり、ベースとパーカッションが控えめにリズムを支えています。控えめでありながらも豊かなサウンドは、まるで秋の収穫時期に感じられるような、豊かさと安らぎをイメージさせてくれる。
ファラオ・サンダースは、ジョン・コルトレーンのバンドに所属していました。ジョン・コルトレーンの活動時期を、マイルス・デイヴィス・クインテットに所属していた頃、独立後のレギュラー・メンバーを固定していた頃、フリー・ジャズに取り組むようになった頃、ぐらいにざっくり分けると、ファラオ・サンダースはコルトレーン晩年のフリー・ジャズ期以降のメンバーになります。
この加入により、サックスが2人になります。「少人数のバンド構成でサックス2人なん?」って思いますが、静のコルトレーンに対して動のサンダースという対比を表現することが目的だったと言われています。この構図は、かつてマイルス・デイヴィス・クインテットで静のマイルス、動のコルトレーンの対比を生み出したマイルスの意図と似ていますね。
コルトレーンのフリー・ジャズは瞑想的と評されてることが多かったのですが、ファラオ・サンダースの音楽もコルトレーンの系譜を継いでいっているのかもしれませんね。
(P.N. ズワイガニ)
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