朝、コーヒーを飲みながら1曲いかがでしょうか?
※このコーナーではシチュエーションに合った1曲を紹介させていただきます。
Skylark(スカイラーク) / デクスター・ゴードン
1977年リリース、『Biting the Apple』に収録
デクスター・ゴードン(ts)
バリー・ハリス(p)
サム・ジョーンズ(b)
アル・フォスター(ds)
今回ご紹介するのは、テナー・サックスの巨匠デクスター・ゴードンのリーダー作『Biting the Apple』に収録されている『Skylark』です。
このアルバムは1976年にレコーディングされ、1977年にリリースされました。タイトルの「Apple」というのは、ズバリ「ニューヨーク(ビッグ・アップル)」のこと。長年ヨーロッパを拠点に活動していたデクスターが、久しぶりにアメリカへ帰還し、ニューヨークのジャズ・シーンにガツンと噛み付いた(丸飲みして席巻した)・・・という最高にクールな意味が込められているんです。
さて、今回おすすめする『Skylark』は、ホギー・カーマイケルが作曲、ジョニー・マーサーが作詞を手がけた1941年のポピュラー・ソングで、今ではすっかり定番のジャズ・スタンダードになっています。
タイトルの「skylark」とは、春の訪れを告げる鳥「雲雀(ひばり)」のこと。実はこの曲のロマンチックで切ない歌詞には、ちょっとした裏話があります。作詞家のマーサーが、当時交際していた大女優ジュディ・ガーランドへの燃えるような恋心を込めて書いたものだと言われているんです。当時マーサーは既婚者で、いわゆる許されざる恋だったわけですが、その切ない想いがこの名曲を生んだんですね。
そんな甘くドラマチックな背景を持つメロディを、年齢を重ねて酸いも甘いも噛み分けたデクスター・ゴードンが、テナー・サックスの太くて温かい音色で余裕たっぷりに歌い上げています。ゆったりとしたテンポと深い響きは、朝の静かな時間に淹れたてのコーヒーを味わいながら聴くのにぴったりですよ。
(P.N. ズワイガニ)


