夜、コーヒーを飲みながら1曲いかがでしょうか?
※このコーナーではシチュエーションに合った1曲を紹介させていただきます。
Blue Friday(ブルー・フライデー) / ケニー・ドーハム
1959年レコーディング、1960年リリース、『Quiet Kenny』に収録
ケニー・ドーハム(tp)
トミー・フラナガン(p)
ポール・チェンバース(b)
アート・テイラー(ds)
『MASTERキートン』という漫画で主人公の相棒、ダニエルの行きつけのピアノ・バーで『Blue Friday』をリクエストする回があります。多分この曲のことかな。その回に登場するルイーズという女性は「この曲は、一人で迎える週末の切なさがよく出ていると思うの。」と言っています。タイトルからしてそんな曲なんだと思います。
1959年にレコーディングされたアルバム『Quiet Kenny(静かなるケニー)』に収録されている『Blue Friday』は、ケニー・ドーハムのブルース感覚が際立つオリジナル曲です。シンプルなブルース構造の中に、ケニー・ドーハムのエレガントでメロディアスな演奏を堪能できる一曲です。曲の雰囲気としてはどっしりと落ち着いた感じでしょうか、その中で響く渋いトランペットがたまりませんね。
この曲は、トランペットのワン・ホーンなんです。あまり聞かない編成ですね。リズム・セクションは、トミー・フラナガン、ポール・チェンバース、アート・テイラーという安定感のある顔ぶれ。ポール・チェンバースのベースラインが、重厚なグルーヴを生み出し、トミー・フラナガンのピアノ・ソロもこの曲をより魅力的にしていますね。
ケニー・ドーハムは、評論家やミュージシャンから評価の対象として名前が挙がることが少なかったことから「過小評価されたトランペット奏者」と言われているんです。悲しきかな、そういうことってありますよね。後になって評価されたりしますけど、本人は絶対生きているうちに評価して欲しいですよね。って凡人の私は思います(笑)
(P.N. ズワイガニ)
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