A Night in Tunisia / アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ【夜、コーヒー、音楽】

コーヒーと音楽

夜、コーヒーを飲みながら1曲いかがでしょうか?

※このコーナーではシチュエーションに合った1曲を紹介させていただきます。

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A Night in Tunisia(チュニジアの夜) / アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ

1960年レコーディング、同年リリース、『A Night in Tunisia』に収録
アート・ブレイキー(ds)
リー・モーガン(tp)
ウェイン・ショーター(ts)
ボビー・ティモンズ(p)
ジミー・メリット(b)


あっつい。夏の暑さ以上にあっつい。そんな漲る熱さをくれるのがこの『チュニジアの夜』だ。迫力あるドラム・ソロからスタートするのだが、これは導火線に火が付いたに過ぎない。期待感と共にジリジリと進んでいく火はホーンの音を合図に爆発する。その炎は燃え広がるが如く、全員が火を吹くようなソロを繰り広げていく。フロントには「天才トランペッター、クリフォード・ブラウンの再来」リー・モーガンとのちにマイルス・バンドに加入するウェイン・ショーター。まさにアート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズの黄金時代だろう。音楽監督を務めるウェイン・ショーターによりドラム・ソロを中心にアレンジされているのもポイントだ。

この曲はトランペット奏者のディジー・ガレスピーの曲である。ラテン・ジャズの中でもキューバを中心に発展したラテン音楽のリズムが基となっているアフロ・キューバン・ジャズというジャンルとなる。元々はビ・バップのためのコンボ・グループ向けに作曲されたが、ビッグ・バンド、歌ものとしても愛されるジャズ・スタンダードとなっている。

よくジャズの批評で、”火を吹くような演奏”というような比喩表現があるだろう。ワインの批評がポエムになってしまうように、ジョン・コルトレーンの『マイ・フェイヴァリット・シングス』のような圧倒的な演奏を前にしてしまうとその批評は理性的な言葉では形容しがたいものとなり、比喩表現を用いなければ、読者には到底批評家の感じている熱量の1/100も届かないのだろう。そういうわけで、私も”火を吹くような”を使ってみたくて今回使ってみたのであるが、いかんせん私は音楽の素養が全くないわけで使うのに勇気がいるのである。ああ、頑張ったで賞をあげたい(笑)

(P.N. ズワイガニ)

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