どうも、ズワイガニです。
今回は、チャールズ・ミンガスが発表した実験的な作品『直立猿人』を紹介します!
Pithecanthropus Erectus(直立猿人)
録音:1956年1月30日
↓レコーディング・メンバー
- チャールズ・ミンガス(b)
- ジャッキー・マクリーン(as)
- J・R・モンテローズ(ts)
- マル・ウォルドロン(p)
- ウィリー・ジョーンズ(ds)
おどろおどろしいような感じがして敬遠されがちなこのアルバム。
ベーシストであるチャールズ・ミンガスのリーダー作で、組曲という形で実験的な表現をしています。
このアルバムにより、ミンガスはバンド・リーダーとしても作曲家としても評価を受けました。
ミンガスはピアノも弾けるんじゃぞ。
ミンガスの説明によると、「Evolution(進化)」「Superiority Complex(優越感)」「Decline(衰退)」「Destruction(滅亡)」の4部構成の組曲になっているようです。
タイトルからして、人類の文明社会をテーマにした風刺的な作品なんでしょうね。
1曲目はテーマ・メロディがないような感じで、そういう意味ではフリー・ジャズの先駆けのような曲ですね。
2曲目は特に好きです。ジョージ・ガーシュウィン作曲のスタンダード・ナンバーなんですが、サックスがクラクションの音を鳴らしたりして、想像力を掻き立てる演出をしています。
のちにマイルス・デイヴィスがこの曲をレコーディングしようとしたそうなんですが、このアルバムでの演奏が完成形だと思い、やめたのだとインタビューで語っています。
3曲目はジャッキー・マクリーン大活躍で、4曲目は約15分の大作でタンバリンが大活躍です。
チャールズ・ミンガスのひとくちメモ
若手を鍛えるミンガス・ワークショップ。
ミンガスはメンバーに自分のスタイルを確立するよう要求していました。
メンバーが誰かの真似事のようなフレーズを吹くようなものなら、めちゃくちゃしごかれたそうです。まさに鬼軍曹ですね。
そんなミンガスは、43年にルイ・アームスロトングのバンドで活動開始。
1950年代になると、チャーリー・パーカーやバド・パウエルと共演し、名声を広めました。
そして、自身のレーベル『デビュー・レコード』を立ち上げ、ビ・バップの雄が集結した歴史的名演『ジャズ・アット・マッセイ・ホール』を録音しました。(販売ルートを確保できず、販売はプレスティッジに依頼したそうです。)
しかし、レーベルの経営が困難になり、アトランティック・レコードと契約することに!
その第1弾となったのが、『直立猿人』だったというわけです!
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