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マル・ウォルドロンの名盤『レフト・アローン』【ビリー・ホリデイに捧げる1枚】

JAZZあれこれ

どうも、ズワイガニです。

今回は、ビリー・ホリデイの追悼アルバムとして注目を浴びたマル・ウォルドロンの『レフト・アローン』を紹介します。

 

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Left Alone(レフト・アローン)

録音:1959年2月24日、60年4月

↓レコーディング・メンバー

  • マル・ウォルドロン(p)
  • ジャッキー・マクリーン(as:1)
  • ジュリアン・ユーエル(b)
  • アル・ドリアーズ(ds)

マル・ウォルドロンは、57年〜59年7月まで晩年のビリー・ホリデイの伴奏を務めていました。

1曲目の『レフト・アローン』はビリー・ホリデイを思って書いた曲だと言われています。

作詞はビリー・ホリデイですが、彼女がこの曲を歌うことなく亡くなってしまいました。

本作では、ビリー・ホリデイの代わりにジャッキー・マクリーンがサックスで歌っています。

ジャッキー・マクリーンがちょっとだけ上ずったように吹いているのが泣きになっていて、すごく味があります。

マル・ウォルドロンは、音数を少なくして表現するタイプのピアニストなんだそうです。

演歌っぽくて古いスタイルなので、彼のようなスタイルは今ではあんまりいないそうですよ。

 

ビリー・ホリデイ追悼版が出来上がるまで

このアルバムは、ビリー・ホリデイが亡くなる5ヶ月前に録音されたんです。

しかし、ビリー・ホリデイが亡くなったため、急遽追悼版として再構成されることになりました。

そのため、ジャッキー・マクリーンは1曲目『レフト・アローン』のみにしか登場しないというわけです。1曲目だけジャッキー・マクリーンを呼んで再録音したということですね。

しったかJAZZ博士
しったかJAZZ博士

ジャッキー・マクリーンとマル・ウォルドロンはチャールズ・ミンガスのバンドで同僚だったんじゃ。『直立猿人』のレコーディングにも一緒に参加しているんじゃぞ。

さらに、プロデューサーのテディ・チャールズはアルバム全体のコンセプトをビリー・ホリデイの追悼版として演出しようと、1回目のバンド・メンバーを呼んで、マル・ウォルドロンにビリー・ホリデイの思い出話をしてもらい、アルバムの最後に『ビリー・ホリデイを偲んで』として音声トラックを収録しました。

アルバム・ジャケットもマルがビリーと共演している時の写真を使っています。

あとは、マルとビリーの関係が分かるようなキャッチ・コピーを散りばめて追悼版の完成というわけです。

このようなことがなければ、このアルバムの印象は全く違うものになっていたのではないでしょうか?

プロデューサー恐るべしですね!

 

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