ここはとある町の喫茶店。
レコードを聴きながら今日もマスターはつぶやく。
【4コマ漫画】喫茶店マスターのつぶやき3『Explorations』
『エクスプロレイションズ』の解説
ビル・エヴァンスがリヴァーサイド・レーベルで発表した4部作の1つ『Explorations(エクスプロレイションズ)』は、1961年に録音されたアルバムです。本作は、エヴァンスのピアノ、スコット・ラファロのベース、ポール・モチアンのドラムスというトリオ編成で制作され、ピアノ・トリオの新たな可能性を示した名盤として知られています。
収録曲には、ジョン・キャリシ作曲の『Israel』や、マイルス・デイヴィスの名義ですがエヴァンスの作曲ではないかと言われている『Nardis』などが含まれています。特に『Beautiful Love』は、エヴァンスのリリカルなスタイルを象徴する名演として評価されています。
本作の魅力は、エヴァンスの繊細で内省的な演奏スタイルと、ラファロ、モチアンとの緊密なインター・プレイにあります。トリオ全体が対等な立場で対話するスタイルを追求し、各メンバーの演奏が有機的に絡み合うことで、同時即興という概念を生み出しました。
録音当時、エヴァンスとラファロの間に緊張があったとも言われますが、その張り詰めた空気が演奏に独特の緊密さとエネルギーを与えたのかもしれません。結果として本作は、インター・プレイを基盤とした同時即興のスタイルを提示し、ピアノ・トリオの可能性を大きく広げた革新的な作品になりました。
ジャズ・ピアノの美しさを堪能できる本作は、エヴァンス入門編としても、ピアノ・トリオの名盤としてもオススメです。
4コマ作者
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商業誌での受賞経験あり。
約1年間Web連載の漫画原作(ネーム担当)経験あり。
2019年よりフリーで活動中。
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