どうも、ズワイガニです。
『Split Kick(スプリット・キック)』っていうタイトル、聞いた瞬間からなんかこう、かっこよすぎないですか? 格闘ゲームの技名か?ってくらいキレ味鋭いんですけど、実はこれ、1950年代のジャズ・ナンバーなんですよね。
この記事では、そんなかっこいい名前を持つジャズ曲『Split Kick(スプリット・キック)』にフォーカスして書いてみました!

にわかジャズファン。見た目のインパクトには自信がある。
しったかJAZZ博士
しったかジャズファン。やたらうんちくを語りたがる。
【4コマ漫画】スプリット・キック

『Split Kick(スプリット・キック)』ってどんな曲?
ということで、今回は『スプリット・キック』を取り上げました。この曲はどんな曲なんですか?
『スプリット・キック』は、ホレス・シルヴァーが作曲した曲じゃ。この曲が収録されているのは、1954年に録音されたアート・ブレイキーの名盤『A Night at Birdland Vol.1』。ジャズ・クラブ、バードランドでのライヴ録音で、ジャズの熱がそのままパッケージングされている名盤である。『スプリット・キック』は、その名が示す通り、攻撃的かつ鋭くスピーディーなテーマが印象的じゃな。テーマ後に繰り広げられるアドリブでは、まるで熱い炎のように勢いが増すフレーズが続くぞい。
この曲、すごいあっちっち〜なんですねえ!ってか、ホレス・シルヴァーの作曲だったんですね。この曲を聴くと、アート・ブレイキーの顔が出てくる。
そうなんじゃ。この曲は、メンバーでピアノを務めていたホレス・シルヴァーの作曲なのだが、ブレイキーがバンドを率いる形で収録されたため、アート・ブレイキーの印象が強いんじゃないかな。ちなみに、「ザ・ジャズ・メッセンジャーズ」は、アート・ブレイキーとホレス・シルヴァーの共同リーダー制として始まったが、やがてシルヴァーが抜けたのちには、アート・ブレイキーが「ザ・ジャズ・メッセンジャーズ」の名を完全に継承し続けたという経緯があるぞ。なので、アート・ブレイキーとホレス・シルヴァーの関係性はなかなか興味深いのじゃよ。
アート・ブレイキーって何者?
改めてアート・ブレイキーについて知りたいんですけど、ざっくり彼は何者なんですか?
アート・ブレイキーは、モダン・ジャズ史において“ハード・バップの守護神”と称される伝説のドラマーなんじゃ。彼のドラミングはひたすら熱く、音楽的で、強烈なグルーヴを生み出すことで知られており、その圧倒的なエネルギーと音楽性は、まさにジャズの象徴と言えるんじゃないかの。
なるほど、これがジャズ・ジャイアントの一人・・・(ゴクリ)
おっと、ブレイキーのすごさは演奏技術だけではないぞ。1954年に結成した「ザ・ジャズ・メッセンジャーズ」は、若手育成の登竜門として知られ、多くのスター奏者を輩出してきたことでも知られておる。リー・モーガン、ウェイン・ショーター、フレディ・ハバード、キース・ジャレット、カーティス・フラー、チャック・マンジョーネ、シダー・ウォルトン、レジー・ワークマン、ウィントン・マルサリス、ブランフォード・マルサリス、テレンス・ブランチャードといった錚々たるメンバーがこのバンドを卒業していったのじゃ。
なんか聞いたことあります!当時から「ブレイキーズ・ユニバーシティ」と呼ばれていたそうですね!
そう、彼は意図的に才能ある若手を集め、自身のバンドで育てていったんじゃ。なぜなら、ブレイキーは常々こう言っていたのじゃよ。「こn…
「このバンドはポスト・オフィスじゃないからな。芸術家を育てる場所なんだ。」
お前が言うんかい。
『スプリット・キック』の演奏メンバー
話は戻りますが、『A Night at Birdland Vol.1』での『スプリット・キック』には、当時まだ若手だったものの、これから世に羽ばたく精鋭たちが参加していたんですよ。
- アート・ブレイキー(ドラム)
- クリフォード・ブラウン(トランペット)
- ルー・ドナルドソン(アルト・サックス)
- ホレス・シルヴァー(ピアノ)
- カーリー・ラッセル(ベース)
やはりクリフォード・ブラウンの分厚いグルーヴの中で花開くまばゆいようなトーンは、本当に一聴の価値あり!
おわりに
『スプリット・キック』という名前に惹かれて聴いてみたら、めっちゃ良かったです!
タイトルに惹かれて音にのめり込む。そんなジャズとの出会い方も、全然アリじゃな。
こういう聴き方は、「ジャケ買い」と通ずるものがありますね!他にも面白い曲との出会い方ないかな〜!
4コマ作者
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商業誌での受賞経験あり。
約1年間Web連載の漫画原作(ネーム担当)経験あり。
2019年よりフリーで活動中。
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