どうも、ズワイガニです。
渋くて低く、そして時に柔らかく歌うような音色のトロンボーン。
今回は、ジャズの中でも独特な存在感を放つ金管楽器、トロンボーンについてご紹介します!
トロンボーンってどんな楽器?
トロンボーンは、金管楽器の一種で、主に低音域を担当します。特徴的なのは、他の金管楽器のようにバルブ(ピストンやロータリー)で音程を変えるのではなく、「スライド」と呼ばれる長い金属の管を前後に動かして音程を変える点です。
息をマウスピースから吹き込み、スライドを7段階のポジションに調整することで、豊かな音域と表現力を生み出します。スライドの動きによる滑らかな音のつながり(グリッサンド)は、トロンボーンならではの味わいですね。

ちなみに、近年ではスライドではなくバルブ式のトロンボーン(バルブ・トロンボーン)も使われることがあります。特に速いフレーズを演奏したい場面などで重宝されます。
スウィング・ジャズの全盛期、ビッグ・バンド編成ではトロンボーン・セクションが主役の一角を担っていました。音域の広さとパンチの効いた音色で、アンサンブルの厚みを増す重要な役割を果たしていたんです。
一方、ビ・バップ以降のモダン・ジャズでは、コンボ編成(少人数グループ)でトロンボーンがメイン楽器として登場する機会は減少したものの、J・J・ジョンソンをはじめとする名手たちによって、ソロ楽器としての可能性が大きく開かれていきました。
トロンボーン奏者の一例
ジャズ史には、トロンボーンの個性を存分に引き出した素晴らしい奏者たちが数多くいます。ここでは、特に印象的な名手をピックアップして紹介します。
トロンボーンの有名な奏者
グレン・ミラー:スウィング・ジャズの代表的バンドリーダーにして、トロンボーン奏者。自身の楽団「グレン・ミラー楽団」で『イン・ザ・ムード』『ムーンライト・セレナーデ』など、今も親しまれる名曲を数多く残しました。
J・J・ジョンソン:ビ・バップ以降のモダン・ジャズにおけるトロンボーン奏者の革命児。スライドの動きを自在に操り、トロンボーンでまるでトランペットのような速いフレーズを流れるように演奏しました。スウィングからモダンへと時代が変わる中で、トロンボーンの可能性を切り拓いた重要人物です。
カーティス・フラー:ハード・バップ~ソウル・ジャズの時代に活躍した、歌心あふれるトロンボーン奏者。アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズのメンバーとしても活躍し、豪快かつメロディックな演奏で人気を集めました。
最後にカーティス・フラーの名盤紹介
最後に、カーティス・フラーの名盤を紹介して終わります。
『Bluesette(ブルースエット)』
カーティス・フラーが1959年にリリースしたリーダー作『Bluesette』は、彼の魅力を凝縮した一枚。
共演メンバーも超豪華!
- ベニー・ゴルソン(テナー・サックス)
- トミー・フラナガン(ピアノ)
- ジミー・ギャリソン(ベース)
- アル・ヘアウッド(ドラムス)
1曲目の『Five Spot After Dark(ファイブ・スポット・アフター・ダーク)』は、ジャズ・ファンなら誰もが一度は聴いたことのあるソウル・ジャズの名曲。落ち着いたグルーヴと美しいメロディラインが、フラーのトロンボーンにピッタリとはまっています。
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