今でも売れている!?マイルス・デイヴィスの『カインド・オブ・ブルー』【ジャズ数珠つなぎ】

JAZZあれこれ

どうも、ズワイガニです。

突然ですが、ジャズ・アルバムを数珠つなぎで紹介していく企画を考えました。

ジャズはその場限りで集まったり、メンバーが入れ替わったりするのが、割と当たり前だったりします。一つのバンドにずっといたり、自身のバンドのメンバーが変わらないことの方が稀だと思います。

そういう業界なわけですので、ミュージシャンのリレーション(関係)が分かると、音楽以外のアプローチからもジャズを楽しめるようになるんです。ジャズは即興演奏があるので、演奏しているメンバー構成を知ることが重要だったりします。

「このミュージシャンはあのミュージシャンのバンドに参加した時のこのアルバムを経たから、自身のバンドを作ってこのアルバムを出した」とか、そういうそれぞれのミュージシャンの関係性やストーリーが分かると、歴史モノを楽しむような楽しみ方ができるのです(笑)

ということで、初回はやはりこのアルバムから始めたいと思います!

さて、どこまで続くかな・・・(笑)

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Kind of Blue(カインド・オブ・ブルー) / マイルス・デイヴィス

レコーディング:1959年3月2日、4月22日 / リリース:1959年8月17日 / レーベル:コロムビア・レコード
マイルス・デイヴィス(tp)
ジョン・コルトレーン(ts)
キャノンボール・アダレイ(as:on1,2,4,5,6)
ビル・エヴァンス(p:on1,3,4,5,6)
ウィントン・ケリー(p:on2)
ポール・チェンバース(b)
ジミー・コブ(ds)

『カインド・オブ・ブルー』について

日本で一番売れているジャズ・アルバムではないでしょうか。全世界でのセールスは1000万枚を超えて、いまだに売れているらしいです。どんだけロングセラー・・・(笑)

1959年にリリースされた『Kind of Blue』は、モード・ジャズの先駆的な作品として広く知られています。モード・ジャズとは、従来のハーモニーやコード進行にとらわれず、モード(特定の音階を基にして作られる「音の並び方の種類」のこと)を基本とした即興演奏を特徴とするスタイルです。このスタイルは、マイルスが従来のビ・バップやハード・バップから脱却し、新たな表現方法を模索していた過程で生まれました。

このアルバムは、マイルスとビル・エヴァンスが長い間構想を練って作り上げたものなんです。ビル・エヴァンスはマイルスのバンドに一時期所属していたのですが、このアルバムを制作する頃にはすでに退団していて、新人のウィントン・ケリーがピアノを務めていました。そのため、マイルスはこのアルバムのレコーディングのために、再びビル・エヴァンスを起用しているんです。

ビル・エヴァンスのピアノは、静かで落ち着いていて、このアルバムの内省的なトーンを決定づける重要な要素となっています。彼の繊細なタッチとモード的なアプローチは、アルバム全体に詩的な質感を与えています。

ウィントン・ケリーが演奏したのは、2曲目のブルースの時だけですが、ブルージーな演奏で見事にその役目を果たしています。マイルスは演奏者の個性からどういう演奏になるかを計算してメンバーを決めているのだと思います。このあたりのプロデュースの凄さがマイルスにはあるんだと思います。

マイルスのレコーディングは、あえて詳細な指示を与えず、演奏者たちがその場で直感的に演奏することを求めます。アルバムの録音は2日間で行われ、この時もリハーサルはほとんど行われなかったとされています。ただ、リハーサルをしなくてもリテイクはするんですね。演奏の途中で違うと思ったら、演奏を止めてもう一度始めからやり直すんです。このアプローチにより、アルバムには緊張感と自由な創造性が同居する独特の雰囲気が生まれています。

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