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マイルス・デイヴィスの運命を変えた『ラウンド・ミッドナイト』

JAZZあれこれ

どうも、ズワイガニです。

早速ですが、『ラウンド・ミッドナイト』という曲を知っていますか?

この曲は、言わずと知れたジャズのスタンダード・ナンバーです。

今回は、この『ラウンド・ミッドナイト』にまつわる熱いエピソードをご紹介します!

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ラウンド・ミッドナイト?ラウンド・アバウト・ミッドナイト?

『ラウンド・ミッドナイト』は、実は正式な曲名がカッチリ定まっておらず、微妙に違うタイトルで呼ばれたりします。

『ラウンド・アバウト・ミッドナイト』と呼ばれたり、英語表記だと『’Round About Midnight』や『’Round ‘Bout Midnight』、『’Round Midnight』などなど、バリエーションが豊富です。

作曲者でありジャズ・ピアニストのセロニアス・モンク自身も、初期のアルバムでは表記がバラバラだったんですが、1957年以降は『ラウンド・ミッドナイト (‘Round Midnight)』で統一しています。

なので、今は『ラウンド・ミッドナイト (‘Round Midnight)』と表記すれば問題ないと思われます!多分。

作曲者はセロニアス・モンク

先ほども少し触れましたが、作曲者はセロニアス・モンクです。 あの独特なピアノを弾くジャズ・ジャイアントの一人ですね。

モンクは、ビバップが勃興する前に行われていたジャム・セッションから参加していた古参プレイヤーです。

しかし、いざビバップの時代になると、独特な間合いと奏法を持つモンクは、スピードやテクニックを競うようなビバップの演奏にはなかなかお呼びがかかりませんでした。

仕事が減ってしまったモンクは、その間に曲をひたすらに作り、『ウェル・ユー・ニードント』などの素晴らしいスタンダード・ナンバーを残しています。 その時期に作られた名曲の一つが、この『ラウンド・ミッドナイト』なんです。

ちなみに、1944年にクーティ・ウィリアムス楽団によって初めてレコーディングされたため、クレジットにはクーティ・ウィリアムスや、後から歌詞をつけたバーニー・ハニゲンも共作者として名を連ねています。

モンク自身も1947年に初録音して以降、度々レコーディングしており、ビバップのスターであるディジー・ガレスピーをはじめ、数々のプレイヤーに演奏され、ジャズ屈指のスタンダード・ナンバーとなりました。

マイルスの運命を変えた『ラウンド・ミッドナイト』

この曲には、マイルス・デイヴィスの運命を変えた名演と言われるエピソードがあります。

舞台は、1955年7月17日。アメリカのロードアイランド州で行われた『第2回ニューポート・ジャズ・フェスティバル』でのことです。

当初、マイルスはフェスに呼ばれていなかったものの、演奏に華が欲しいと考えたプロデューサーのジョージ・ウェインが、直前にマイルスへオファーを出しました。

ステージに立つメンバーは、セロニアス・モンク(ピアノ)、ズート・シムズ(テナー・サックス)、ジェリー・マリガン(バリトン・サックス)、パーシー・ヒース(ベース)、コニー・ケイ(ドラムス) からなるオールスター・バンド。ここに、司会のデューク・エリントンに紹介されてマイルスが加わります。

そして演奏されたのが、『ラウンド・ミッドナイト』です。この時、マイルスはモンクのピアノをバックに、代名詞とも言えるミュート・トランペットでテーマからソロまでを見事に吹き切りました。この2人の共演という事実だけで、ジャズファンはご飯3杯いけるんじゃないでしょうか・・・?

なぜかと言いますと、マイルスとモンクの共演は、前年のクリスマス・イヴに行われたレコーディング以来だったからです。クリスマス・イヴのレコーディングといえば、マイルスがモンクに「俺のソロのバックでは弾くな」と言って大喧嘩になったと噂された、あの有名なセッションですね。

2人の間には何のわだかまりもなかったと証明するかのように素晴らしい演奏を見せたマイルス。のちのインタビューでは「いつもと同じように吹いただけなのに、すごい拍手をもらった」とクールに語っています。マイルスは、レコーディングとライヴでこだわりが全く違うのでは・・・と思わせるエピソードですよね。

そして、この奇跡の演奏は、マイルスが大手メジャーレーベルであるコロムビア・レコードと契約を結ぶきっかけとなります。このライヴを聴いたコロムビアのプロデューサーであるジョージ・アヴァキャンは、「『ラウンド・ミッドナイト』を聴いて、次で最後の曲である『ナウズ・ザ・タイム』が終わるまでに、私はマイルスの楽屋に向かっていた」と語っています。

しったかJAZZ博士
しったかJAZZ博士

ジャズ専門ではない大手レーベルであるコロムビアと契約することは、当時とてもすごいことだったんじゃよ。

そして、移籍第1作目としてリリースされたのが、『ラウンド・アバウト・ミッドナイト』になります。

‘Round About Midnight

リリース年:1957年(※録音は1955年〜1956年)

レコーディング・メンバー

  • マイルス・デイヴィス(tp)
  • ジョン・コルトレーン(ts)
  • レッド・ガーランド(p)
  • ポール・チェンバース(b)
  • フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)

このアルバムに収録されているスタジオ・ヴァージョンの『ラウンド・ミッドナイト』も、緊張感と美しさが同居する最高の名演です。

おわりに

いかがだったでしょうか?今回は、マイルス・デイヴィスの大復活劇とメジャーデビューのきっかけとなった名曲『ラウンド・ミッドナイト』について紹介しました。

スランプに陥っていたマイルスが、急遽呼ばれた大舞台でこの曲を吹き、観客とプロデューサーの心を鷲掴みにしたというストーリーを知ってから聴くと、トランペットの音色がより一層心に染みてきますよね。

ぜひ、ライヴ・ヴァージョンとアルバム・ヴァージョンの両方を聴き比べてみてください!

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