どうも、ズワイガニです。
今回は、ジャズの中でも特に重要なキーワード、「インタープレイ(interplay)」について紹介します。
ジャズが生きた音楽と呼ばれる理由は、演奏中のやり取りにあります。そのやり取りこそが、インタープレイなんです。
インタープレイとは?
「インタープレイ(Interplay)」は、英語で「相互作用」や「やり取り」といった意味を持つ言葉です。
ジャズでは、演奏中にミュージシャン同士が、会話するようにお互いの演奏にリアルタイムで反応し合うことを指します。
たとえば──
- ピアニストがアドリブで3連符のフレーズを弾いたとします。
- するとすかさず、ベーシストがそれに呼応して、3連符のベースラインで返す。
まるで「今のよかったね」「じゃあ次はこれでどう?」と音で会話しているようなイメージです。こういった演奏をインタープレイといいます。
ジャズの醍醐味って、決められた譜面どおりではなく、その場の空気や流れで音楽が作られていくところにありますよね。インタープレイは、その場の生きた音楽をつくる、まさに核心部分なんです。
名盤『Interplay』はインタープレイの見本!
実は「Interplay(インタープレイ)」というタイトルのジャズ・アルバムがあります。
1962年に録音されたビル・エヴァンスのリーダー作品で、まさに音の会話が感じられる名盤なんです。
そもそもビル・エヴァンスってどんな人?
ビル・エヴァンスは、繊細で情緒豊かなピアノを弾くことで知られる名ピアニストです。
一音一音が丁寧にハーモナイズされていて、静けさの中に感情が宿るような独特の魅力があります。
一見、内向的なプレイスタイルに見えるかもしれませんが、実は他のプレイヤーとの呼吸・反応をとても大切にしています。つまり、インタープレイを重視していたミュージシャンの一人なんです。
異色の編成とメンバー
『Interplay』の面白いところは、ビル・エヴァンスのいつものピアノ・トリオの編成(ピアノ+ベース+ドラム)ではなく、なんとクインテット(5人編成)という点。
メンバーはこちら↓
- ビル・エヴァンス(ピアノ)
- フレディ・ハバード(トランペット)
- ジム・ホール(ギター)
- パーシー・ヒース(ベース)
- フィリー・ジョー・ジョーンズ(ドラム)
それぞれが超一流。特に注目すべきは、当時若手ながらすでに注目されていたフレディ・ハバードのトランペットです。勢いがあってエネルギッシュなプレイが、ビル・エヴァンスにも刺激を与えたのか、普段よりも少しアグレッシブなピアノを聴かせてくれます。
一方で、ギタリストのジム・ホールは、静かで間を大事にするタイプ。この“動”と“静”の対比がまた面白くて、ビル・エヴァンスとの相性も抜群です。
『Interplay』の聴きどころは?
このアルバム、1曲目からグルーヴィーで自然と体が動くようなノリの良さがあります。
それはおそらく、ドラムのフィリー・ジョー・ジョーンズが生み出すリズムと、フレディ・ハバードのトランペットが引っ張る勢いのおかげ。でもただ元気なだけじゃなくて、そこにビル・エヴァンスならではの繊細さと、メンバー全員の音のやり取り=インタープレイが重なって、まるで音楽の会話劇を聴いているような感覚になりますよ!
おわりに
ジャズの魅力のひとつ、それがインタープレイ。
楽譜だけじゃ生まれない、リアルタイムでのやりとりから生まれる音楽の妙を、ぜひ耳で体感してみてください。
その入門としても、ビル・エヴァンスの『Interplay』はぴったりの一枚ですので、気になった方は、ぜひ一度聴いてみてくださいね!
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