どうも、ズワイガニです。
今回は、マッコイ・タイナーのキャリアにおいて最大級のヒットを記録したアルバム『フライ・ウィズ・ザ・ウィンド』をご紹介します!
「ジャズの巨人」ジョン・コルトレーンの右腕として活躍したマッコイが、壮大なスケールで描き出した意欲作です。
Fly With The Wind(フライ・ウィズ・ザ・ウィンド) / マッコイ・タイナー (1976)
録音:1976年1月19〜21日
レコーディング・メンバーはこちら。
- マッコイ・タイナー(p)
- ヒューバート・ロウズ(fl)
- ロン・カーター(b)
- ビリー・コブハム(ds)
- ギレルミ・フランコ(per)
- ウィリアム・フィッシャー(cond)
- 他ストリングス
マッコイ・タイナーといえば、モダン・ジャズ史上最強と言われるジョン・コルトレーンの「黄金のカルテット」を支えたピアニストです。
このアルバムは、マッコイがコルトレーンのもとを離れてから約10年後に制作されました。精神性を追求し、フリー・ジャズへと傾倒していったコルトレーン時代を経て、彼がたどり着いた一つの完成形がここにあります。
実はマッコイ自身、数ある自作の中でも最も好きなアルバムとして、名盤『リアル・マッコイ』と並んで今作の名前を挙げるほど、思い入れの強い作品なんです。
評価が分かれる「ジャズ喫茶泣かせ」の名盤
本作の最大の特徴は、総勢20名を超えるストリングス・オーケストラをバックに配した壮大なスケール感です。
よくある「ジャズ・ウィズ・ストリングス(バラード中心の優雅なBGM風)」とは一線を画し、マッコイの力強い打鍵と、ストリングスのダイナミックなアンサンブルが火花を散らすような構成になっています。
曲調も颯爽としていて、すごい聴きやすいですよね。

かつての日本のジャズ喫茶では、このアルバムをかけるとコアなファンから白い目で見られたものじゃ。あまりに聴きやすく、大衆ウケする華やかなサウンドだったから、「これは硬派なジャズじゃない!」と毛嫌いするガチ勢がおったんじゃな・・・。おかげで怖くてリクエストできなかったという伝説もあるぞい。
確かに、コマーシャリズム(商業主義)を感じるという意見もありますが、理屈抜きにカッコいいのがこのアルバムの凄さ。特に表題曲『フライ・ウィズ・ザ・ウィンド』の疾走感は、ジャズに馴染みのない方でも一瞬で引き込まれる魅力があります。
また、通な楽しみ方としておすすめなのが5曲目の『Rolem(ローレム)』です。マッコイ独特のワン・パターン(良い意味で)な力強いピアノに、名手ロン・カーターと超絶ドラマーのビリー・コブハムが煽られ、熱量がどんどん上がっていく展開は圧巻です!
ジャズでは珍しいフルート(ヒューバート・ロウズ)が、ストリングスとピアノの橋渡し役として素晴らしい仕事をしていたりと、非常に重厚かつ爽快なスケール感のある作品となっています。
おわりに
『フライ・ウィズ・ザ・ウィンド』は、マッコイ・タイナーというピアニストの持つ「剛腕」と、オーケストラが持つ「優雅さ」が奇跡的なバランスで融合した作品です。
昔のジャズ・ファンの中には否定的な意見を持つ人もいましたが、今の耳で聴けば、これほど爽快でエネルギッシュなジャズ体験はなかなか味わえません。
「難しい理屈は抜きにして、とにかくスカッとしたい!」という時に、ぜひボリュームを少し上げて聴いてみてください。きっと、タイトルの通り風に乗って空を飛んでいるような気分になれるはずですよ!


