コルトレーン・チェンジとは!?ジョン・コルトレーンの『ジャイアント・ステップス』【ジャズ数珠つなぎ】

JAZZあれこれ

どうも、ズワイガニです。

今回の記事は、ジャズ・アルバムを数珠つなぎで紹介していく企画になっています。

ジャズはその場限りのメンバーだったり、レギュラーメンバーが入れ替わったりするのが、割と当たり前だったりします。一つのバンドにずっといたり、自身のバンドのメンバーが変わらないことの方が稀なんです。

そういう業界ですので、ミュージシャンのリレーション(関係)が分かると、音楽以外のアプローチからもジャズを楽しめるようになるんです。それぞれのミュージシャンの関係性やストーリーを知ることで、歴史モノを楽しむような楽しみ方ができるのです(笑)

ということで、今回は2回目になります。

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『カインド・オブ・ブルー』からの〜!

初回となる前回は『カインド・オブ・ブルー』についてでした。

前回の記事はこちら↓
今でも売れている!?マイルス・デイヴィスの『カインド・オブ・ブルー』【ジャズ数珠つなぎ】
どうも、ズワイガニです。 突然ですが、ジャズ・アルバムを数珠つなぎで紹介していく企画を考えました。 ジャズはその場限りで集まったり、メンバーが入れ替わったりするのが、割と当たり前だったりします。一つのバンドにずっといたり、自身のバンドのメン...

『カインド・オブ・ブルー』のレコーディングを前後して、テナー・サックス奏者のジョン・コルトレーンが自身のリーダー作品の制作に動いています。そのアルバムが、『ジャイアント・ステップス』です。最初のレコーディングは『カインド・オブ・ブルー』の2回目のレコーディングの前に行われています。ただ、この時のテイクは発売当時の本編には採用されませんでした。そして、『カインド・オブ・ブルー』のレコーディングを終えた5月にほとんどのテイクは完成。『ネイマ』という曲のみ12月にレコーディングを行っています。

『カインド・オブ・ブルー』での経験がコルトレーンにどのようなインスピレーションを与えたのでしょうか。結果として、『ジャイアント・ステップス』の制作は、コルトレーンがマイルス・デイヴィスのバンドから独立し、自己の音楽的ビジョンを確立する過程で重要なステップとなります。そして、1960年春に独立したコルトレーンは、独自の音楽性をさらに深く追求していくことになるのです。

Giant Steps(ジャイアント・ステップス) / ジョン・コルトレーン

レコーディング:1959年4月1日-12月2日 / リリース:1960年2月 / レーベル:アトランティック・レコード
ジョン・コルトレーン(ts)
トミー・フラナガン(p:on1,2,3,4,5,7)
ウィントン・ケリー(p:on6)
ポール・チェンバース(b)
アート・テイラー(ds:on1,2,3,4,5,7)
ジミー・コブ(ds:on6)

『ジャイアント・ステップス』について

『ジャイアント・ステップス』はアトランティック・レコードと契約して最初にリリースした作品です。この頃から、独自の音楽性を模索する試みが始まっています。今回のレコーディングでも、同じ曲を異なるサイドメンを起用してテイクを重ねるなど試行していることが伺えます。

収録曲についてですが、タイトル曲となる『ジャイアント・ステップス』は、ジャズのスタンダードの中でも特に技術的に難易度が高い楽曲として知られています。コルトレーンはこの曲で「コルトレーン・チェンジ」と呼ばれる独特のコード進行を導入しています。

「コルトレーン・チェンジ」とは、コルトレーンが編み出した通常のジャズのコード進行の枠から外れ、急速な転調を繰り返す複雑なコード進行の一種です。転調の間にクリシェ(定番のフレーズみたいなもの)的な解決感がないため、サックスプレイヤーや他のソロイストは常に新しいキーに適応しながら即興を続けなければならず、極めて高いレベルの演奏能力が求められます。3曲目の『カウントダウン』でも「コルトレーン・チェンジ」が用いられています。

2曲目の『カズン・マリー』はコルトレーンの従姉妹に捧げた曲で、6曲目のバラード、『ネイマ』は当時の妻に捧げた曲。7曲目の『ミスターP.C.』は、マイルスのバンドの盟友で、本作にも大きく貢献しているベーシスト、ポール・チェンバースに捧げた曲です。コルトレーンは音楽的な探求を進めるだけでなく、身近な人々との絆を音楽で表現するということもやっているんです。

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