どうも、ズワイガニです。
音楽を聴いていたり、カラオケで「キー上げて〜」なんて言ったり、楽器を始めたりすると、よく耳にするのが「キー」というワード。でも、実はちゃんと説明しようとすると意外と難しい・・・。
「“ド”って1個じゃないの?」「曲の“キー”がCとかFって、何のこと?」と疑問に思ったことがある方も多いのでは?
今回は、音楽初心者にもわかりやすく「キー」について説明していきます!
「キー」=“音楽のルール”みたいなもの
まずざっくり言うと、「キー」とは、その曲の中で中心になる“音”と、そこから組み立てられる音階(スケール)のことです。
もっと簡単に言えば、「この曲はこの“ド”を基準にして作られてますよ〜」というルールのようなもの。
たとえば「キーC(ド)」の曲であれば、“ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド”がすべて白い鍵盤(ピアノで言うと)でできています。つまり、C(ド)がその曲の中心(=主音)なんですね。
じゃあ“ド”は状況によって変わるということ?
ここが初心者にとってちょっと混乱しやすいポイントかもしれません。
ピアノの鍵盤を見ると「ド」はいつも同じ場所にあるし、音の高さも決まっていますよね。だから、「“ド”はCの音のこと」って思っている人も多いかもしれません。
でも実は、音楽の中で使われる「“ド”」というのは、必ずしもCの音とは限らないんです。
じゃあ「“ド”って何?」というと、これは “その曲のキー(調)における中心の音”のことを指しています。
たとえば、
- 曲が「キーC」なら、“C”が“ド”
- 曲が「キーD」なら、“D”が“ド”
- 曲が「キーF」なら、“F”が“ド”
といった感じで、その曲のキーによって“ド”の位置が変わるんです。
もし曲が「キーD(レ)」だった場合、中心になる音(つまり“ド”にあたる音)は“D(レ)”になります。そして、“レ・ミ・ファ♯・ソ・ラ・シ・ド♯・レ”のような並びが基本のスケールになります。
つまり、「“ド”=Cの音」と決めつけずに、その曲の中で一番安定する音が“ド”になるという考え方なんですね。「“ド”の位置が曲によって変わる」のがキーの世界だと覚えてもらえれば分かりやすいと思います。
ちなみに、この「“ド”の位置が曲によって変わる」という考え方は、「移動ド相対音感」と呼ばれています。たとえば「キーC」ならCが“ド”だけど、「キーD」になればDが“ド”になる――という風に、その時々のキーに合わせて“ド”の位置を動かして考えるんですね。
一方で、「絶対音感」を持っている人は、“ド”は常にC、“レ”は常にDというふうに、固定された音の名前と高さで音楽を捉えることが多く、これを「固定ド絶対音感」と呼ぶこともあります。
どちらが良い悪いというわけではなく、音楽の感じ方や理解の仕方が少し違うということなんです。プロの方でも絶対音感でない人はたくさんいますしね!
カラオケで「キーを上げる・下げる」ってどういう意味?
カラオケの場面で「キーを2つ上げて〜!」なんて言う人、いますよね。これはつまり、曲全体の高さ(音の中心=主音)を上げるということです。
たとえば、原曲が「キーC」だった場合、「キーD」にすると、すべての音が“全音”(2つ分の半音)上がるということになります。
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キーC:ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド
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キーD:レ・ミ・ファ♯・ソ・ラ・シ・ド♯・レ
こうすることで、自分の声の出しやすい高さに調整できるというわけなんです。
なんでキーが違う曲があるの?
曲ごとにキーが違うのは、理由が大きく2つあります。
歌う人や楽器の音域に合わせるため
たとえば低い声の歌手には低めのキー、高い声の人には高めのキーが合います。楽器もそれぞれ出しやすい音域があります。
曲の雰囲気を変えるため
キーが変わると、同じメロディでもちょっと違う印象になるんです。明るく聞こえたり、重たくなったり。演奏者や編曲者の解釈やその時演奏するテーマやコンセプトによって原曲とは違う顔を見せることができます。
メジャー・キーとマイナー・キーって何?
よく「この曲はCメジャーです」とか「Aマイナーです」とか聞くこともありますよね。
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メジャー・キー(長調):明るい響き
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マイナー・キー(短調):ちょっと切なかったり暗めの響き
たとえば「キーCメジャー」は“ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド”ですが、「キーAマイナー」は“ラ・シ・ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ”という構成になっています(実は同じ音を使っていて、これを“平行調”と呼びます)。
つまり、同じような音でも“どこから始めるか”で、曲の印象がガラッと変わるのです。
楽器をやってる人が「キーが難しい」って言う理由
たとえば、ピアノでは白鍵だけのCメジャーは簡単ですが、B♭メジャーやF♯メジャーになると黒鍵が増えて難しく感じることがあります。
また、吹奏楽器(サックスやトランペットなど)は「移調楽器」といって、見えているキーと実際の音のキーが違うこともあり、それもややこしさの原因になっています。
おわりに
ここまで読んでみても、「キー」ってちょっとややこしそう・・・と思うかもしれません。でも、音楽をよく聴いたり、ちょっと楽器に触れたりしていくうちに、自然とわかってくるものです。
逆に、キーの仕組みを少しでも知っておくと、音楽の聴こえ方がグッと深まるので、もっと音楽を楽しめるチャンスですよ!
まとめ
- 「キー」は曲の中心になる“音”とスケール(音階)のこと
- “ド”の位置は曲によって変わる
- カラオケの「キーを上げる」は音を全体的に高くすること
- メジャー=明るい、マイナー=切ない雰囲気
- 楽器や歌い手によって合うキーはそれぞれ
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