どうも、ズワイガニです。
今回はジャズのリズム隊の要、ドラムについて紹介します!
ドラムってどんな楽器?
ドラムは、ジャズにおいてリズムとグルーヴの核を担う存在です。ベースとともにリズム・セクションを支えて、バンド全体のタイム感をコントロールします。テンポやダイナミクス、フレージングに至るまで、ドラムの表現はジャズの空気感そのものを形作ります。
ドラム・セットは複数の打楽器から構成されており、演奏者が全身を使ってそれぞれのパーツを操ることで、非常に表情豊かな演奏が可能になります。
主にスネア、バスドラ、タムなどの太鼓群とハイハットやシンバルなどのシンバル群から構成されていて、それらをスティックやブラシで打ち鳴らします。
以下、ドラムの基本3点セットの説明をします。
これにタムタムやクラッシュ・シンバル、ライド・シンバルなどを加えて、ドラマーは自分好みにドラム・セットをカスタマイズしていきます。
ドラム・セットの構成が増えていくことで、リズム楽器であるドラムは多彩な音を出せるようになり、モダン・ジャズ以降ドラム・ソロが一般化していきます。
ブラシとは?
ジャズ・ドラムでよく見かける独特な奏法に「ブラシ奏法」があります。これはスティックの代わりに、針金やナイロンの毛がついた「ブラシ」を用いてドラムを演奏するスタイルです。
特にスロー・テンポのバラードやクール・ジャズなど、繊細な雰囲気を表現するのに使われます。
ブラシを使うと、スネアの打面を円を描くように滑らせることで、柔らかくささやくような摩擦音を作り出せます。これにより、空気を撫でるような静謐なグルーヴが生まれるのです。
ドラム奏者の一例
ドラム奏者のすごい人たちの一例を挙げていきたいと思います。
ドラムの有名な奏者
アート・ブレイキー:ハード・バップの立役者。「ジャズ・メッセンジャーズ」を率い、多くの若手ミュージシャンを育てました。エネルギッシュで力強いドラミングが魅力。
マックス・ローチ:革新的なタイム感とポリリズムでビ・バップを支えたドラマー。単なる伴奏にとどまらず、音楽的な対話を生むスタイルは今も影響を与え続けています。
トニー・ウィリアムズ:17歳でマイルス・デイヴィスのバンドに抜擢。超高速かつダイナミックなドラミングで、モード・ジャズからフュージョン期のジャズを牽引しました。
エルヴィン・ジョーンズ:ジョン・コルトレーン・カルテットの屋台骨を担った伝説的ドラマー。爆発的かつスピリチュアルなプレイ・スタイルでジャズ・ドラムの枠を拡張しました。
最後にブラシを使った曲の名盤紹介
最後に、ブラシを使った曲の名盤を紹介して終わります。
『Overseas』
ピアニストのトミー・フラナガンがスウェーデンで録音したリーダー作。エルヴィン・ジョーンズ(ドラムス)、ウィルバー・リトル(ベース)とのトリオ編成で、全編ブラシによるエルヴィンの繊細かつスウィンギーな演奏が堪能できます。
しかも、録音当日にスティックを忘れてしまったため、ブラシだけで叩くことになったというエピソードつき。結果的に、フラナガンの美しいタッチと相まって、極上の一枚に仕上がっています。
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