どうも、ズワイガニです。
可憐で滑らかな音色を持ち、時にはリズミカルに、時にはしっとりと、ジャズの表情を豊かに彩ってきた名脇役な楽器、クラリネット。
今回は、スウィング時代の華やかなサウンドを語るうえで外せない楽器であるクラリネットについてご紹介します!
クラリネットってどんな楽器?
クラリネットは、リード(葦)を振動源にして音を出す木管楽器です。見た目は黒くて細長く、サックスと同じくキー操作で音程を変えます。
ジャズの世界では、1920年代のニューオーリンズ・ジャズから、1930〜40年代のスウィング・ジャズ全盛期にかけて、非常に重要な役割を担っていました。とくにスウィング期には、サックスと並んでメロディを奏でる花形楽器だったんです。
ただ、モダン・ジャズ以降になると、より音のアタックが強く、自由な表現ができるサックスやトランペットが主流になり、クラリネットはやや表舞台から姿を消してしまいます。
とはいえ、クラリネット特有の明瞭で気品のある音色、滑らかなレガートは今でも根強いファンが多く、スウィング・ジャズやディキシーランド・ジャズでは欠かせない存在です。
ジャズ・クラリネットといえばこの人!
ジャズ・クラリネット界の象徴ともいえる存在が、ベニー・グッドマン。彼は1938年、カーネギー・ホールで史上初のジャズ・コンサートを開催し、「スウィングの王様」と称されました。クラシックの殿堂だったホールでジャズが演奏されるというのは当時では異例中の異例。その成功は、ジャズが芸術として認められるきっかけにもなりました。
彼の演奏は、クラリネットのなめらかさとキレの良さを兼ね備えており、まさに楽器の魅力を引き出した第一人者と言えます。
クラリネット奏者の一例
クラリネット奏者のすごい人たちの一例を挙げていきたいと思います。
クラリネットの有名な奏者
ベニー・グッドマン:スウィング・ジャズの象徴的存在。ジャズを大衆化させた立役者でもある。
ジョニー・ドッズ:1920年代のニューオーリンズ・ジャズ期に活躍した古典ジャズの重要人物。
ルイ・アームストロングの伴奏でも知られ、泣きの入ったクラリネットが味わえます。
バディ・デフランコ:モダン・ジャズ以降もクラリネットを主役として活躍した希少な存在。
ビ・バップやハード・バップの文脈でクラリネットをプレイし、テクニック・音楽性ともに第一級。
最後にバディ・デフランコの名盤紹介
最後に、バディ・デフランコの名盤を紹介して終わります。
クラリネットのイメージをガラッと変えてくれるのが、バディ・デフランコの『Cooking The Blues & Sweet & Lovely』です。
このアルバムは、もともと別々にリリースされていた2枚を1枚にまとめたもので、デフランコのモダン・ジャズにおけるクラリネット表現の粋が詰まっています。
メンバーも超豪華!ソニー・クラーク・トリオにタル・ファーロウを加えた西海岸屈指のリズム・セクションです。
- バディ・デフランコ(クラリネット)
- ソニー・クラーク(ピアノ/オルガン)
- タル・ファーロウ(ギター)
- ジーン・ライト(ベース)
- ボビー・ホワイト(ドラムス)
ソニー・クラークの粘り気のあるピアノ(時にオルガンも)と、タル・ファーロウのスムースなギターが、クラリネットのしなやかさと絶妙に絡み合い、モダンなスウィングを体現しています。
クラリネットは古臭い? そんなイメージを覆してくれる好盤です。
モダン・ジャズのクラリネット奏法を確立したデフランコの演奏を聴いてみてください。
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