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バド・パウエルの『クレオパトラの夢』を聴く。【4コマ漫画付き記事】

JAZZあれこれ

ここはとある町の喫茶店。

レコードを聴きながら今日もマスターはつぶやく。

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【4コマ漫画】喫茶店マスターのつぶやき21

バド・パウエルの『クレオパトラの夢』の解説

日本のジャズファンにとって、絶対に避けては通れない「超」がつくほどの定番曲があります。それが、バド・パウエルの名曲『クレオパトラの夢』です。

この曲は、1959年にリリースされたアルバム『ザ・シーン・チェンジズ』の1曲目に収録されています。かつて日本のジャズ喫茶では、この曲がかからない日はなかったと言われるほどの爆発的な人気を誇っていました。

バド・パウエルといえば、「モダン・ジャズ・ピアノの祖」と呼ばれるビバップの巨匠。ジャズ・ピアノの基礎を作ったと言っても過言ではないレジェンドです。

しかし、この『クレオパトラの夢』の魅力は、小難しい理屈を抜きにして、とにかくメロディがキャッチーでエモいこと。前奏なしでいきなり始まる、哀愁たっぷりで少しエキゾチックなマイナー調のテーマは、一度聴いたら耳から離れません。この絶妙な影のある旋律が、日本人の琴線にグサリと刺さるんでしょうね。

録音が行われたのは1958年の年末(12月29日)。レコーディング・メンバーは、ピアノのバド・パウエルに加えて、ベースがポール・チェンバース、ドラムスがアート・テイラーという、当時のハード・バップ界を代表する凄腕のリズム隊です。

彼らの安定感抜群でグルーヴィーなサポートに乗って、バドのピアノは水を得た魚のように躍動します。曲をよく聴いてみると、バド自身がプレイに熱中するあまり、メロディに合わせて「ウー」とか「アー」と唸り声を上げているのがハッキリと聴こえるんです。この生々しいライヴ感こそが、ジャズの醍醐味ですよね・・・!

実は当時のバドは、精神的な不調や過酷な治療の影響で、ピアニストとしては決して絶好調の時期ではありませんでした。全盛期の神がかったプレイと比べると、少し指のもつれがあるなんて指摘する評論家もいます。しかし、この『クレオパトラの夢』に込められた情熱や、音楽に対するひたむきな姿勢は、そんな野暮な指摘を吹き飛ばすほどのエネルギーに満ち溢れています。

ちなみに、アルバム『ザ・シーン・チェンジズ』のジャケット写真も最高なんです。バドの後ろからヒョッコリと顔を出しているのは、当時3歳だった息子のアール君。どこか思い詰めたようなバドの表情と、我が子の愛らしい姿が同居するこの一枚からは、彼の不器用で過酷な生き様が伝わってくるようで、なんだか胸が熱くなります。

「ジャズってちょっと難しそう・・・」と思っている初心者の皆さんにこそ、まずはこの『クレオパトラの夢』をおすすめします。

4コマ作者

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商業誌での受賞経験あり。
約1年間Web連載の漫画原作(ネーム担当)経験あり。
2019年よりフリーで活動中。
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