どうも、ズワイガニです。
ジャズ用語で、ジャズ・スタンダードとかスタンダード・ナンバーとかスタンダード曲という言葉を耳にすることがあります。
これらは、ジャズの演奏者やリスナーにとって、広く親しまれている定番の楽曲のことを指します。スタンダード・ナンバーは、時代やスタイルを超えて演奏され続けて、今でもジャム・セッションやコンサートなどで演奏されるのが特徴です。
ジャズ・スタンダードの起源
ジャズ・スタンダードの多くは、20世紀初頭から半ばにかけて作られた楽曲に由来しています。その多くは、ミュージカルや映画、さらにはブロードウェイの劇中歌として作曲されたもので、当時のポピュラー音楽が基盤となっています。
これらの楽曲群は「グレート・アメリカン・ソングブック」や「アメリカン・スタンダーズ」と呼ばれ、楽曲の多くがジャズ・スタンダードに含まれています。特に、ジョージ・ガーシュウィンやコール・ポーター、リチャード・ロジャース、アーヴィング・バーリンといった作曲家たちが手掛けた名曲が、ジャズ・ミュージシャンによってアレンジされ、演奏されるようになりました。
- ジョージ・ガーシュウィン:Summertime、Rhapsody in Blueほか
- コール・ポーター:Night and Day、Anything Goesほか
- リチャード・ロジャース:My Funny Valentine、The Sound of Musicほか
- アーヴィング・バーリン:White Christmas、God Bless Americaほか
ジャズ・スタンダードの特徴
ジャズの大きな特徴である即興演奏(インプロヴィゼーション)が、ジャズ・スタンダード・ナンバーでも行われます。
基本的なメロディやコード進行は決まっているものの、演奏者は自由にメロディやリズムを解釈し、独自のアレンジを加えます。これは、同じ曲でも演奏者によってまったく異なる表現が可能であり、ジャズの醍醐味と言えるでしょう。
ミュージシャン同士がメロディやコード進行という共通の理解を持つことができ、ジャズのアレンジの多様性と楽曲の普遍的な魅力から、現代でも頻繁に演奏されるのが、ジャズ・スタンダードというわけなのです。
代表的なジャズ・スタンダード・ナンバー
ここでは、代表的なスタンダード・ナンバー3曲を紹介します。
サマータイム(Summertime)
ジョージ・ガーシュウィンによるオペラ『ポーギーとベス』の中で使用された楽曲じゃ。憂いを帯びたメロディと、豊かなハーモニーが特徴で、数多くのミュージシャンにカバーされておるぞ。エラ・フィッツジェラルドやマイルス・デイヴィスの演奏が特に有名なんじゃ。
オール・オブ・ミー(All of Me)
1931年に作られたこの曲は、スタンダード・ナンバーの中でも特に愛されている一曲じゃなあ。聴いたら分かるという人も多いんじゃなかろうか。ルイ・アームストロングやフランク・シナトラといった数多くのミュージシャンに演奏され続けておるぞい。
枯葉(Autumn Leaves)
フランス語で「Les Feuilles Mortes」として知られるこの曲は、ジャズ界でも重要なスタンダード・ナンバーじゃ。カノンのように循環するコード進行が特徴で、ビル・エヴァンスやキャノンボール・アダレイなど、数多くのミュージシャンによって取り上げられている名曲じゃ。
ジャズ・スタンダードの役割
ジャズ・スタンダードには、セッションで共通のレパートリーを持つことで、手合わせしていなくても一緒に演奏できるという役割もあります。
日本では”黒本”と呼ばれる楽譜集がジャズ・スタンダードの教科書的なポジションになっていたりします。
おわりに
ジャズ・スタンダードは、ミュージシャンにとっては共通言語として機能していて、どの国のミュージシャンであっても、ジャズ・スタンダードを通じてつながることができるんですね。
リスナーとしても、ジャズ・スタンダードを聴き比べたりして、ジャズを楽しむ上での入口としても最適だと思います!
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