どうも、ズワイガニです。
今回は、日本で大ヒットした名盤、ソニー・クラークの『Cool Struttin’(クール・ストラッティン)』について紹介します!
ハード・バップ黄金期に生まれたこの作品は、リリース当初こそ過小評価されていましたが、日本では長年にわたって愛され続けている1枚。なぜ日本でこれほどまでに人気を集めたのか、その背景も掘り下げてみましょう。
ソニー・クラーク『Cool Struttin'(クール・ストラッティン)』
1958年に録音されたこのアルバムは、ブルーノート・レーベルから発売されたソニー・クラークの代表作。クラークのリーダー作の中でも、特に高く評価されています。
編成は、ピアノ・トリオにホーン・セクションを加えたクインテット構成。メンバーも非常に豪華です。
- ソニー・クラーク(ピアノ)
- アート・ファーマー(トランペット)
- ジャッキー・マクリーン(アルト・サックス)
- ポール・チェンバース(ベース)
- フィリー・ジョー・ジョーンズ(ドラム)
マイルス・デイヴィスのバンドでも活躍していたポール・チェンバースとフィリー・ジョー・ジョーンズを擁し、ジャズの最前線にいたミュージシャンたちが結集した一枚です。
ニューヨーク・タイムス紙では「いつまでも残るハード・バップのクラシック」と評されているアルバムですが、当時はそこまで人気という感じではありませんでした。
しかし、日本ではなぜか大ヒット!
そんな中、日本では大人気の名盤になりました!
当時はまだレコードが高価で大衆に手が届かなかったときに、このアルバムはジャズ喫茶で大ヒット・アイテムとしてヘビー・ローテーションされていたんですね。
日本で大人気になったことを象徴するエピソードがあります。
1986年に『マウント・フジ・ジャズ・フェスティバル』という大規模野外イベントが始まったのですが、その第1回目にブルーノートの創設者アルフレッド・ライオンをゲストとして迎えました。
そう、ブルーノートは『クール・ストラッティン』を発売したレコード会社です。
第1回目の演目には、ソニー・クラーク・トリビュート・プログラムがあり、『クール・ストラッティン』のレコーティング・メンバーのジャッキー・マクリーンが出演しました。
そして、ジャッキー・マクリーンのバンドが『クール・ストラッティン』のテーマを演奏し始めた瞬間、「レコーディング・メンバーだったジャッキー・マクリーンが『クール・ストラッティン』を演奏している!」ということで観客がどよめいたそうなんです。
それを見たアルフレッド・ライオンは、ソニー・クラークの日本人気が本物だと分かり、大変感激したといいます。
まとめ
他にもジャケットがクールだったりと魅力が詰まったアルバム!
下記のような要素が重なって、『クール・ストラッティン』は、日本のジャズ・ファンに育てられた名盤として語り継がれているのです。
- ジャズ喫茶文化と相性抜群のサウンド
- クールで印象的なジャケット
- 手に入れづらいレコードを喫茶店で楽しめる時代背景
- 一度聴いたらクセになるリズムとメロディ
今でも多くのジャズ・ファンが「最初に買ったジャズのレコードがこれだった」と口にする一枚。そんな日本で愛されたソニー・クラークの名盤『クール・ストラッティン』をぜひ聴いてみてくださいね!