フロント・セクション、リズム・セクションとは?【ジャズ用語解説】

JAZZあれこれ

どうも、ズワイガニです。

ジャズ本やライナーノーツを読んでいると、「フロント・セクション」「リズム・セクション」という言葉を目にすることがあります。

でも、初めて見る人にとっては「なんとなくわかるけど、具体的にどういう意味?」と疑問に思うのではないでしょうか?

今回は、この2つの用語について基本的な意味と実際の使用例を紹介していきます。

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フロント・セクション

フロント・セクションとは、テーマのメロディやアドリブ・ソロを主に担当するホーン楽器群のことを指します。具体的には、トランペット、サックス、トロンボーンなどが典型的なメンバーです。

演奏中に目立つメロディ・ラインを担当するため、バンドの顔とも言える存在です。ジャズ書籍や会話の中では「フロント陣」と呼ばれることもあります。

  • 主役的なメロディを担当
  • ソロをとる機会が多い
  • 視覚的にもステージ前方に並ぶことが多いため「フロント」と呼ばれる

リズム・セクション

一方で、バンドの土台を支えるのがリズム・セクションです。ベースとドラムを中心に、ピアノやギターも含めて演奏のリズムやハーモニーを担うパートを指します。

ピアノやギターはテーマのメロディと伴奏の両方ができますが、伴奏に加わるということで通常はリズム・セクションの扱いになっています。

「リズム隊」という言葉もよく耳にしますが、これはベースとドラムのコンビを指すことが多いです。「リズム・セクション」という言葉の方が広く、ピアノやギターも含めて使う点でニュアンスが異なります。

  • ベース:コード進行の基礎を低音で支える
  • ドラム:リズムの推進力を生み出す
  • ピアノ/ギター:和音を刻みつつ、時にメロディも担当

アドリブ・ソロをとることもありますが、基本的には「伴奏」として全体のバランスを支える役割が大きいです。

実例:Lee Morgan Vol.3(リー・モーガン Vol.3)

ここで、実際のアルバムを例に確認してみましょう。

『Lee Morgan Vol.3』とは

若き天才トランペッター、リー・モーガンが18歳のときに録音したリーダー作。全曲をテナー・サックス奏者ベニー・ゴルソンが作曲しており、ジャズ史に残る名盤のひとつです。

特に『I Remember Clifford(クリフォードの想い出)』は名演として語り継がれており、この1曲のためだけでもアルバムを手に入れる価値があると言われています。

このアルバムのメンバーは以下になります。

  • リー・モーガン(トランペット)
  • ジジ・グライス(アルト・サックス/フルート)
  • ベニー・ゴルソン(テナー・サックス)
  • ウィントン・ケリー(ピアノ)
  • ポール・チェンバース(ベース)
  • チャーリー・パーシップ(ドラムス)

このバンドは6人編成=セクステットです。

  • フロント・セクション → トランペット+サックス2本(3人)
  • リズム・セクション → ピアノ、ベース、ドラムス(3人)

つまり、「スリー・フロント+スリー・リズム」という編成になります。

まとめ

  • フロント・セクション:メロディやソロを担当するホーン陣
  • リズム・セクション:演奏の基盤を支えるベース、ドラム、ピアノ、ギターなど

ジャズを聴くときに「この曲はフロントが厚いな」「リズム・セクションが強力だな」と意識してみると、より深く楽しめますよ!

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