どうも、ズワイガニです。
今回はジャズ・トロンボーンの名手、カーティス・フラーの代表作『Blues-ette(ブルースエット)』をご紹介します。
トロンボーンといえばモダン・ジャズでは少し地味に扱われがちな楽器ですが、このアルバムを聴けば、トロンボーンの表現力と魅力を改めて実感できることでしょう!
カーティス・フラーとは
カーティス・フラーは、1934年12月生まれ、デトロイト出身のジャズ・トロンボーン奏者です。
トロンボーンは低音楽器なので耳に入りにくく、コンボ編成でのモダン・ジャズ以降は序列が下がってしまいました。そんな中、多数のリーダー作を残し活躍したトロンボーンの名手が、カーティス・フラーやJ・J・ジョンソンです。
- 1957年:ニューヨークに進出し、ジョン・コルトレーンの名盤『Blue Train』に参加。リー・モーガンと共にホーン・セクションを担い、鮮烈な印象を残しました。
- 1959年:アート・ファーマー、ベニー・ゴルソンらと「ジャズテット」を結成。
- 1961〜1965年:アート・ブレイキー率いるジャズ・メッセンジャーズに所属。3ホーン時代の厚みあるサウンドを支えました。
その後も多くのリーダー作や共演盤を残し、晩年まで第一線で活動。まさにジャズ・トロンボーンの顔と言える存在でした。
Blues-ette(ブルースエット) / カーティス・フラー
このアルバムは1959年録音、カーティス・フラーの代表作にして、ジャズ・トロンボーンの魅力が凝縮された一枚。ジャケットも印象的なんですよね。
メンバーは以下になります。
- カーティス・フラー(tb)
- ベニー・ゴルソン(ts)
- トミー・フラナガン(p)
- ジミー・ギャリソン(b)
- アル・ヘアウッド(ds)
実力派が顔を揃えた充実のメンバー構成です。特に後にコルトレーン・カルテットで活躍するジミー・ギャリソンの参加は注目ポイント。
名曲「ファイブ・スポット・アフター・ダーク」
アルバム冒頭を飾るのは、アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズの音楽監督を務めていたベニー・ゴルソン作曲の名曲 『Five Spot After Dark』。
この曲の存在感があまりに大きく、『Blues-ette』といえばまずこの曲を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
「ファイブ・スポット」とはニューヨークにあった名門ジャズ・クラブで、タイトルはその夜が更け、灯が落ちた後のムードを感じさせます。
冒頭のフレーズがキャッチーで、一度聴いたら忘れられない名曲と言われるのも納得です。カーティス・フラーとベニー・ゴルソンの2ホーンがなんともムーディな雰囲気を醸し出していますね。
それをトミー・フラナガンの流れるようなピアノと、ジミー・ギャリソンの力強いベース・ラインがリズムをしっかりと支えます。
落ち着いたテンポながら、じわじわと心を掴んで離さない。そんな魅力があります。
アルバム全体の魅力
もちろん「ファイブ・スポット・アフター・ダーク」だけではありません!アルバム全体に流れるのは、ブルージーでリラックスした空気感。タイトルどおり、ブルースを基調に、余裕ある大人のジャズを楽しめます。
ハード・バップ期のアルバムでありながら、どこか温かみや柔らかさを感じるのは、カーティス・フラーのトロンボーンの音色によるところが大きいでしょう。
おわりに
「ジャズ初心者だけど、渋すぎない落ち着いたアルバムを聴きたい」「トロンボーンが主役のジャズを聴いてみたい」、そんな方にぜひおすすめしたい一枚です。
気になった方は、夜のリラックス・タイムに聴いてみるのはいかがでしょうか!

 
  
  
  
  
