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油井正一の名著『ジャズの歴史物語』【ジャズ本レビュー】

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どうも、ズワイガニです。

ジャズって、なんだか敷居が高くて難しいイメージがありませんか?

なんとなくお洒落だなと思って聴き始めてみたものの、少し経つと、ある残酷な事実に気づいてしまうんです。

「もしかして、ジャズをちゃんと楽しむためには、ビバップだのモダン・ジャズだの、その背景にある歴史を理解しなきゃいけないの・・・?」

いやいや、音楽を楽しむだけなのに歴史の勉強まで必要なんて、いくらなんでもハードル高すぎでしょ!・・・と、心が折れそうになったあなた。その気持ち、痛いほどわかります。

でも、安心してください!そんなジャズの歴史の壁にぶつかって絶望しかけた方にこそ、全力でおすすめしたい最高の一冊があります。

それが、日本のジャズ評論界のレジェンド、油井正一(ゆい しょういち)さんが書いた『ジャズの歴史物語』です!

この本、タイトルに「物語」とついている通り、年号や人名がズラッと並ぶような、お堅い歴史の教科書ではありません。

まるで一本の映画を見ているかのように、ジャズという音楽が歩んできた波乱万丈のドラマをワクワクしながら読める名著なんです。

今回は、ジャズ初心者の方にこそぜひ読んでほしい、この『ジャズの歴史物語』の魅力について紹介させていただきたいと思います!

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日本のジャズ評論界の父・油井正一さんってどんな人?

まずは「そもそも油井正一さんって誰・・・?」という方のために、著者のプロフィールを少しだけご紹介させてください。

油井正一さんは1918年生まれ、1998年に亡くなられるまで、日本のジャズ評論の第一人者として活躍し続けた、まさにレジェンド中のレジェンドです。

日本にまだジャズの情報が少なかった時代から、膨大なレコードを聴き込み、海外の文献を読み漁り、日本のジャズ・ファンにその魅力を伝え続けてくれました。

彼の何がすごかったのかというと、その「語り口」です。かつて放送されていた『アスペクト・イン・ジャズ』などのラジオ番組では、彼の解説は「講談調」と呼ばれるほど親しみやすく、ユーモアに溢れていました。

ただ単に「このアルバムのレコーディング・メンバーは誰々で〜」と事実を並べるだけでなく、ミュージシャンたちの人間臭いエピソードや、その音楽が生まれた背景を、まるで見てきたかのように生き生きと語ってくれるんです。

そんな彼が、持てる知識と情熱をすべて注ぎ込んで執筆したのが、この『ジャズの歴史物語』です。1972年に初版が出版されて以来、多くのジャズ・ファンやプロの評論家たちに読み継がれ、2009年には新装復刊、2018年には角川ソフィア文庫として文庫化もされました。

50年以上前に書かれた本なのに、今読んでもまったく色褪せない面白さがあるって、本当にすごいことですよね!

なぜ『ジャズの歴史物語』が初心者に圧倒的におすすめなのか?

ジャズの歴史を解説した本は世の中にたくさんありますが、なぜこの本が初心者にとっての最適解なのでしょうか? 理由はシンプルです。とにかく物語としてめちゃくちゃ面白いからです!

ジャズの歴史というと、「ニューオリンズで生まれて、スウィングの時代があって、そこからビバップが誕生して、クール・ジャズ、ハード・バップ、そしてフリー・ジャズへ・・・」という流れがあります。初心者の頃は、この「〇〇ジャズ」というジャンル名の連続で頭がパンクしそうになりますよね。

でも、本書を読むと、それらの音楽スタイルが「なぜその時代に生まれなければならなかったのか」が、スッと腑に落ちるんです。

例えば、ただ「ビバップというスタイルが流行しました」と書かれるのではなく、「スウィング・ジャズの商業主義に反発した血気盛んな若手ミュージシャンたちが、夜な夜なライヴ・ハウスのジャム・セッションに集まり、誰も真似できないような複雑なコード進行と猛烈なスピードで演奏し始めた。それがビバップの夜明けだった・・・」というように、彼らの熱量や反骨精神に焦点を当てて描かれているんです。

社会の移り変わり、人種差別という重い壁、そして天才たちの苦悩と栄光。それらが複雑に絡み合いながら「ジャズ」という音楽が進化していく過程は、まさに極上のエンターテインメントです。

歴史の勉強をしているという感覚はいつの間にか消え去り、「次はどうなるの!?」とページをめくる手が止まらなくなります。

胸アツ!本書で出会えるジャズ・ジャイアンツたちの人間ドラマ

この本を「映画のよう」と表現した最大の理由は、個性豊かすぎるジャズ・ジャイアンツ(偉大なミュージシャン)たちのキャラクター描写にあります。

例えば、ジャズの父と呼ばれるトランペット奏者、ルイ・アームストロング。彼がどれほど貧しい環境から這い上がり、その圧倒的な才能でジャズの基礎を築き上げたのか。彼の笑顔の裏に隠された壮絶な人生を知ると、あの陽気な歌声やトランペットの音色が、まったく違って聴こえてきます。

そして、モダン・ジャズの扉を開いた天才アルト・サックス奏者、チャーリー・パーカー。彼は信じられないほどの才能を持ちながらも、破滅的なライフスタイルを送り、トラブルばかり起こしていました。しかし、彼がひとたびアルト・サックスを吹けば、誰もがひれ伏すしかない圧倒的な音楽が溢れ出す。そんな彼の破天荒なエピソードの数々は、呆れると同時に、強烈なカリスマ性を感じさせます。

さらに、常に時代を牽引し続けた「ジャズの帝王」マイルス・デイヴィス。チャーリー・パーカーのバンドで若き日々を過ごした彼が、やがて師匠とは違う「クール」なアプローチを見出し、その後も次々とジャズの歴史を塗り替えていく姿は、まるで一人のヒーローの成長譚を読んでいるかのようです。

もちろん、テナー・サックスの巨匠たちや、ピアノの名手たち、伝説のシンガーたちのエピソードもたっぷり詰まっています。彼らの生き様を知ることで、歴史上の偉人だった彼らが、急に血の通った人間として身近に感じられるようになるんです。

ジャズの歴史を知ると、音楽が100倍面白くなる!

「音楽なんて、耳で聴いて心地よければそれでいいじゃないか」そう思う方もいるかもしれません。もちろん、それも大正解です。ジャズは理屈抜きでカッコいい音楽ですからね。

でも、もしあなたが「もっとジャズの奥深さを知りたい」「名盤と呼ばれるアルバムが、なぜ名盤なのかを理解したい」と思っているなら、歴史を知ることは最強の武器になります。

例えば、『Kind of Blue / マイルス・デイヴィス (1959)』という超有名なアルバムがあります。このアルバムをただ聴くだけでも「お洒落で落ち着く音楽だな」と感じるでしょう。

しかし、『ジャズの歴史物語』を読んで、当時のジャズ界がビバップの複雑なコード進行に行き詰まりを感じていたこと、そしてマイルスがそこから脱却するために「モード」という全く新しい手法を取り入れたという背景を知ってから聴くと・・・どうでしょう。

「なるほど、この静けさの中には、ジャズの歴史を変えるほどの革命的なエネルギーが秘められているんだ!」と、聴こえてくる音の解像度がグッと上がるんです。

アルト・サックスやテナー・サックスのソロの裏で、どんな意図を持ってベースやドラムが動いているのか。ライヴ・ヴァージョンとスタジオ録音で、なぜこんなにも熱量が違うのか。そういった音の向こう側にある物語が見えてくるようになります。

歴史を知ることは、決して知識をひけらかすためではありません。あなたの耳をアップデートし、目の前で鳴っている音楽を100倍深く、そして熱く楽しむためのスパイスなのです。

おわりに

いかがでしたでしょうか?今回は、油井正一さんの名著『ジャズの歴史物語』を紹介させていただきました。

ジャズの歴史は、決して難しくて退屈なものではありません。そこにあるのは、新しい音を求めて命を削ったミュージシャンたちの、汗と涙と情熱のドラマです。

初心者の方はもちろん、ある程度ジャズを聴き込んできた方にとっても、新しい発見と感動を与えてくれるオススメの一冊です。

まだ読んだことのない方は、ぜひ読んでみてくださいね!

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この記事を書いた人
ズワイガニ

このブログを立ち上げた時には、完全なるジャズ素人。
初心者がジャズ記事を書きなぐり成長していくサマを冷ややかな目で見つつ楽しんでいただければ幸いです。

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