どうも、ズワイガニです。
たまには歌モノをと思いまして、ヘレン・メリルとクリフォード・ブラウンの名盤『ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン』を紹介します!
ジャズを聴き始めた人にも、楽器派の人にも刺さる一枚。ヴォーカルとトランペットが、これ以上ない距離感で共演している作品です。
Helen Merrill With Clifford Brown(ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン)
このアルバムは1954年12月22日、24日にレコーディングされました。
レコーディング・メンバーは以下になります。
- ヘレン・メリル(vo)
- クリフォード・ブラウン(tp)
- ダニー・バンクス(bs,fl)
- ジミー・ジョーンズ(p)
- バリー・ガルブレイス(g)
- オシー・ジョンソン(ds)
- ボビー・ドナルドソン(ds)
- ミルト・ヒントン(b)
- オスカー・ペトフォード(b)
そして、アレンジャーとして若きクインシー・ジョーンズが参加しています。
クインシー・ジョーンズは元々トランペッターでしたが、そこからプロデューサーになって才能が開花しました。
マイケル・ジャクソンの『スリラー』をアレンジしたり、有名アーティストが一堂に会したチャリティー曲『We are the World』をプロデュースしたりして、すごいところに行ってしまいましたよね。
この時、クインシー・ジョーンズは21歳。ヘレン・メリルとクリフォード・ブラウンは24歳。そもそもみんな若いですが、年齢的に大学生が社会人を指揮するみたいな感じですかね?(笑)
クリフォード・ブラウンはクインシー・ジョーンズが推薦して起用されたそうですよ。人選が光っていますね。
一方、リズム・セクションの選定はヘレン・メリル自身が行ったそうです。
ヴォーカリスト主導でここまで音の世界観を作り上げている点も、この作品の大きな魅力だと思います。
このアルバムにおけるヘレン・メリルの魅力
ヘレン・メリルは「ニューヨークのため息」と評されるジャズ・ヴォーカリストです。
ハスキーで、少し影を帯びた声質。その独特の息遣いが、このニックネームの由来とされています。
このアルバムがヘレン・メリルの初リーダー作。しかも初作にして、そのまま代表作になってしまったという強烈なデビューでした。
なかでも2曲目の『You’d Be So Nice To Come Home To』は、彼女を語るうえで外せない一曲です。
クリフォード・ブラウンのソロを受けて再登場する場面で、「You’d be so…」のsoをたっぷり伸ばして歌うあの一瞬。あそこが本当に良いんですよね。
あのフレーズを聴くたびに、「この曲の主役は私」と、主張しているように感じます。
ヘレン・メリルの歌は、感情を過剰に乗せるタイプではありません。けれど、一音一音の間に余白があり、その余白に聴き手の感情が入り込む余地がある。だからこそ、歌モノに慣れていない人でも、すっと耳に入ってくるのだと思います。
しかも、このアルバムにはクリフォード・ブラウンがいます。歌を引き立てながら、決して後ろに下がりすぎない、あの完璧な距離感。
ヴォーカルと管楽器の理想的な関係が、ここにはあります。
おわりに
『ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン』は、ジャズ・ヴォーカルの名盤であり、若き才能たちが奇跡的なバランスで噛み合った記録でもあります。
歌モノはちょっと苦手、ジャズ・ヴォーカルは敷居が高そう、そんな人にこそ、まず聴いてほしい一枚です!
ヴォーカル派も、楽器派も、どちらも満足できる名盤だと思いますので、まだ聴いていない方は、ぜひこの機会にどうぞです!



