どうも、ズワイガニです。
ジャズを聴き始めると、必ずと言っていいほどぶつかる巨大な壁・・・いや、巨大な山がありますよね。
そう、泣く子も黙る「ジャズの帝王」こと、マイルス・デイヴィスです!
「名前はよく聞くし、名盤もいくつか聴いてみたけど、結局どんな人だったの?」「なんか気難しそうで、近寄りがたいイメージがある・・・」そんな風に感じているジャズ初心者の方も多いのではないでしょうか?
今回は、そんなマイルス・デイヴィスという人間の「本当の姿」を知るために、絶対に読んでほしい一冊をご紹介します。
それが、小川隆夫さん著の『マイルス・デイヴィスの真実』です!
この本、ただの堅苦しい伝記や音楽の専門書じゃありません!まるで一本の極上のドキュメンタリー映画を観ているかのように、マイルスの波乱万丈な人生にグイグイと引き込まれてしまう超名作なんです。
この記事では、なぜこの本がジャズ初心者にこそおすすめなのか、その魅力をたっぷりと語っていきますね!
マイルス・デイヴィスってどんな人?
本題に入る前に、まずは「マイルス・デイヴィスって結局何がすごいの?」というところを簡単におさらいしておきましょう。
マイルスは、トランペット奏者としての圧倒的なカリスマ性はもちろんですが、最大の功績は「常にジャズの最先端を切り拓き、音楽のスタイルを何度も変えていったこと」にあります。
普通、ミュージシャンって自分のスタイルが確立すると、それをずっと守り続けることが多いですよね。でもマイルスは違いました。自分が作り上げたスタイルを自ら壊し、どんどん新しいサウンドを追い求めていったんです。
例えば、彼の残した名盤を年代順に見ていくと、その進化の凄まじさが分かります。
- 『Birth of the Cool / マイルス・デイヴィス (1957)』
- 激しいビバップ全盛の時代に、あえて落ち着いたアレンジを取り入れた「クール・ジャズ」の誕生。
- 『Relaxin’ / マイルス・デイヴィス (1958)』
- ジョン・コルトレーン(テナー・サックス)らを擁する第一期黄金クインテットによる、ハード・バップの金字塔。
- 『Kind of Blue / マイルス・デイヴィス (1959)』
- コード進行にとらわれない「モード・ジャズ」を確立し、ジャズ史上最高の売上を記録した超名盤。キャノンボール・アダレイ(アルト・サックス)やビル・エヴァンス(ピアノ)との奇跡のアンサンブルは必聴です!
- 『Bitches Brew / マイルス・デイヴィス (1970)』
- エレクトリック楽器を大々的に導入し、ロックやファンクの要素を融合させたエレクトリック・ジャズ(フュージョン)の先駆け。
- 『Tutu / マイルス・デイヴィス (1986)』
- 晩年にはシンセサイザーや打ち込みを多用し、当時のポップスやR&Bの要素も取り入れた最先端のサウンドを展開。
いかがでしょうか?これ、全部同じ人がリーダーとして作っているんですよ!
ジャズの歴史は、マイルス・デイヴィスの進化の歴史と言っても過言ではありません。だからこそ、彼の人生を知ることは、ジャズそのものを深く理解することに直結するんです。
著者の小川隆夫さんって何者?
さて、そんな偉大すぎる帝王の真実を書き上げた著者の小川隆夫さん。一体どんな方なのでしょうか?
実は小川さん、「整形外科医」でありながら「ジャズ・ジャーナリスト」としても活動しているという、超異色の経歴の持ち主なんです!
1980年代にニューヨークに留学していた頃から、本場のジャズ・シーンに深く入り込み、数々のミュージシャンと交流を深めていきました。
そして、メディア嫌いで気難しいことで有名だったマイルス・デイヴィス本人に、なんと20回近くも直接インタビューを行っているんです!
さらには、マイルスから「オマエはオレのドクターだ、マイ・ドク」と呼ばれ、自宅の電話番号まで教えられるほど心を許されていたというから驚きですよね。
マイルスは小川さんに、こんな言葉を残しています。
「それなら誰にも書けない本を書けよ。なにしろ俺のことは、ずいぶん間違って伝えられているからな。」
この言葉を託された小川さんだからこそ書けたのが、この『マイルス・デイヴィスの真実』なんです。
単なるファンや評論家ではなく、マイルスと人間同士として向き合った「マイ・ドク」にしか引き出せない、リアルな素顔がここには詰まっています。
『マイルス・デイヴィスの真実』のここが面白い!
では、具体的にこの本のどこがそんなに面白いのか?ポイントをいくつか絞ってご紹介しますね。
100人以上の証言で浮かび上がる立体的なマイルス像
マイルス本人の自伝も出版されていますが、本人の記憶って意外と曖昧だったり、自分をよく見せようとちょっと盛ってしまったりすることもありますよね。
この本がすごいのは、マイルス本人の言葉だけでなく、彼に関わったミュージシャンや家族、関係者など100人以上(!)の証言を徹底的に集めて構成されているところです。
「あの時、マイルスはこう言っていたけど、周りのメンバーは実はこう思っていた」みたいな、複数の視点から一つの出来事を検証していくので、真実味が桁違いなんです。
天才ゆえの孤独、メンバーとのバチバチのライバル関係、時には人間らしい弱さや優しさ・・・神格化されがちなマイルスが、生身の人間として目の前に現れる感覚を味わえます。
名盤誕生のリアルな舞台裏
ジャズファンにとってたまらないのは、やはり名盤のレコーディング秘話や、ライヴでのエピソードです。
例えば、マイルスのバンドには常にその時代を代表する若手ミュージシャンが参加していました。ジョン・コルトレーン(テナー・サックス)、ハービー・ハンコック(ピアノ)、ウェイン・ショーター(テナー・サックス)、トニー・ウィリアムス(ドラムス)などなど・・・。
彼らがマイルスからどんな影響を受け、どうやって才能を開花させていったのか。そして、マイルス自身も若い才能から刺激を受けてどう変化していったのか。
「あの名盤の裏では、こんなドラマがあったのか!」と知ることで、ワクワクが止まらなくなりますよ!
ジャズ初心者こそ読むべき理由
「でも、文庫版で700ページを超える分厚い本だし、初心者にはハードルが高いんじゃ・・・?」そう思う方もいるかもしれません。
でも、安心してください!小川さんの文章はとてもフランクで読みやすく、専門用語ばかりで置いてけぼりにされるようなことはありません。
マイルスの生い立ちから、栄光、挫折、ドラッグとの闘い、そして奇跡の復活劇まで、一本の映画のようにドラマチックに描かれているので、あっという間にページをめくってしまいます。
そして、初心者にこそこの本を読んでほしい最大の理由は、「音楽の聴こえ方が劇的に変わるから」です!
ジャズって、とても人間臭い音楽なんです。プレイヤーのその時の感情、人生のバックグラウンド、メンバー同士の人間関係が、そのままアドリブの音に表れます。
「この曲をレコーディングしていた時、マイルスはこんな悩みを抱えていたんだな」「このメンバーとは、こんな緊張感の中でプレイしていたんだ!」そんな背景を知ってから改めて曲を聴き直すと、今までただのカッコいい音楽だったものが、何倍もエモーショナルに、深く心に刺さるようになります。
ジャズを深く楽しむための最高のスパイスとして、これ以上の本はありません!
おわりに
いかがでしたか?今回は、小川隆夫さん著の『マイルス・デイヴィスの真実』をご紹介しました。
マイルス・デイヴィスという一人の天才の人生を通して、ジャズの歴史、面白さ、そして奥深さを教えてくれる、まさに決定版と呼べる一冊です。
マイルスが「マイ・ドク」に託した「俺のことは、ずいぶん間違って伝えられている」という思い。その真実の姿を知った時、あなたはもっともっとジャズのことが好きになっているはずです。
マイルスの名盤をBGMに流しながら、じっくりとこの本の世界に浸ってみてはいかがでしょうか・・・?きっと、あなたもマイルスの虜になること間違いなしですよ!

